わからない本があってもいい——『読書の幅を広げる』ということ

基本的には、自分がおもしろそうだと思った本を読むようにしています。

人からおすすめされて読むこともありますが、そもそも「読みたい」という気持ちがないと、空虚な時間になってしまうことが多々ありました。

読む本のジャンルについても、今のところは偏っていてもいい、というのが私の考えです。

とはいえ、最近は「読書の幅を広げていきたい」と思うようになり、私の主催する会でも課題本読書会を始めるようにしました。

さらに、天狼院書店のAIを活用したインフィニティ∞リーディングにも参加しています。

 

課題本読書会の魅力は、自分ひとりで読んだだけでは得られなかった気づきを、他者との対話を通して発見できるところにあります。

国語の授業でも、初めて読んだときと、その文章をじっくり読み終えたときとでは、「腑に落ちた感覚」が大きく異なっていたのではないでしょうか。

ただ、ここで気をつけたいのは、「読んでわからなかったときに、わかったふりをしない」ということです。

 

今回は、翻訳作品を読みました。

読んでみたところ、どうにも話の内容がピンとこなかったため、別の訳者による翻訳を選び、再度読み直してみました。

けれど正直なところ、再読してもその作品の魅力に強く惹かれることはありませんでした。

その作品は、「アメリカ文学の最高傑作」と帯に書かれているほどの有名作で、多くの人を魅了してきたことも重々承知しています。

それでも、私にはその良さがよくわかりませんでした。

昔から、古典作品や海外文学はあまり得意ではありませんでした。

自分の想像の及ばない世界を取り入れることに、苦手意識があるのかもしれません。

さらに他の訳も読んでみるという選択肢もありますが、今回は二つの訳を読んだ段階で、いったん区切ろうと思います。

「わからなかった」という結果にはなりましたが、それに後悔はありません。

 

植えた種の数を数えておいて、すべての芽が出たかを確認して育てることなど、きっと誰もしないでしょう。

読書もそれと同じで、読んだすべての本が最上の経験になるとは限りません。

それでも、「読んだ」という経験は、どこかでふいに活きてくることがあるのではないかと思っています。

何より、またいつかその本を手に取ったときに、「あっ、わかった!」という感覚が得られるかもしれません。

そんなふうに思いながら、これからも読書を続けていきたいです。

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