角幡唯介『極夜行』(文春文庫)

こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

 

今回紹介する本は、角幡唯介『極夜行』(文春文庫)です。

以前、「ほぼ日の學校」の授業を拝見して興味を持って購入しました。

しばらく積読となっていましたが、冒険モノの作品を読んだ流れで手に取りました。

 

極夜という現象をご存知でしょうか?

どちらかというと白夜の方が有名かもしれません。

極地では地軸が傾いていることにより、ずっと日が沈まない現象があります。

それが白夜です。

今回の冒険の舞台はその逆でずっと日が昇らない状態が続く極夜の状態です。

ずっと太陽を見ることがない状態が続きます。

頼りになるのはヘッドライトの光です。

想像ができない生活です。

 

そのような環境下での冒険ですが、事前の準備でポイントにあらかじめ食料を置きに行っています。

冒険は思うようにいかないところが多くて、事前に訪れていても、地形がわからずに迷ってしまうこともあります。

また、食料を置いていったもののあらゆる地点で白熊等に食い荒らされてしまっています。

最終的にはソリを引いていた犬を殺して食料とすることも考えている様子は非常さがひしひしと伝わってきました。

 

明かりがない状態が続くというのは現代の生活のシステムから外れています。

数年前にあった地震で数日間停電になっただけでわたしは気分が滅入りそうになりました。

それだけでなく太陽の光を浴びることなくその状況が続くとなると考えるだけで耐えられない気がします。

 

太陽と月の性格の話が印象的でした。

日本ではかつて月の運行を元にした太陰暦が用いられていました。

月の暦を使うというのは結構複雑なところがあることを学びました。

太陽というのはある意味できっちりとしており、スーツを着たビジネスマンみたいな印象なのかなと思いました。

 

やった人にしかわからない世界というものがあります。

おそらくわたしには今後一生極夜を経験するということはないかもしれません。

それでもこの本を読むことにより、その一部を追体験することができて良かったと思います。

 

話のスタートが奥さんの出産のシーンだったのも最後まで読めば納得でした。

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