管啓次郎『本は読めないものだから心配するな』(ちくま文庫)

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今回ご紹介するのは、管啓次郎さんの『本は読めないものだから心配するな』(ちくま文庫)です。

円錐書店でタイトルに惹かれて購入をしました。

読書に対する新たな視点が開かれるとともに、読書そのものに関する深い考察が得られたと感じています。本書のタイトルである「本は読めないものだから心配するな」という一文は、読書における自由さを示唆しており、深いインパクトがありました。どこまで読んだら「読んだ」と言えるのか、あるいはどう読んだらいいのかといった、固定観念に囚われずに、本と向き合う姿勢をこのタイトルが体現しているように思えます。

さらに、本書では「冊」という単位にとらわれる必要のない読書の形も示されていました。私もこの考えに納得しており、冊数や量ではなく、本を通じて得られる体験や自分の内面の変化にこそ価値があると感じています。単に読み終えることを目的とするのではなく、どのように感じたかを見つめることが、私にとって大切な読書のポイントになりました。

また、作家の読み方と評論家の読み方の違いについても、本書で印象的な表現がありました。「百冊の本を一度ずつ読むのは、評論家の読み方。作家は、十冊の本をどれも十回読む」(p272)という言葉は、読む深さと広さの違いを表しており、どちらも異なる価値があることに気づかされました。特定の本を繰り返し読むことでのみ得られる感覚的なものがあり、読書の奥深さを実感しました。

さらに、この本の特徴として、見開きの左上にその文章内のキーワードが記されている点がありました。これが読み手にとってリズムを作り、印象に残りやすい構成になっていると感じました。こうした工夫が、読書体験をさらに豊かにしているように思います。

印象に残ったところを紹介します。

読書の目的は内容の記憶ではない。そのときその場で本との接合面に生じた一回きりのよろこびを、これからやってくる未来の別のよろこび(読書によるものとはかぎらない、生のいろいろな局面でのよろこび)へとつなげていくことだ。

管啓次郎『本は読めないものだから心配するな』(ちくま文庫)(p279)

本書を通して得た考えを深める中で、私が読書に求めるもの、そしてどのように本と向き合うかについて改めて見つめ直す機会となりました。読書に対して自由な発想と、自分の感じ方を大切にする姿勢を教えてくれる一冊でした。

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