星新一『きまぐれロボット』(角川文庫)

こんにちは、井田祥吾(@shogogo0301)です。

読書セラピストとして本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の主宰や人間学を学ぶ月刊誌である『致知』の読書会である北海道致知若獅子の会の世話人をしています。

 

今回紹介する本は、星新一さんの『きまぐれロボット』(角川文庫)です。

昭和47年1月初版の令和3年4月で70刷というバケモノみたいに読まれている作品です。

 

前回の読書会で星新一さんが話題になったのと、以前紹介してくだっさった方がいらっしゃったので手に取りました。

ショートショートといえば星新一さん、星新一さんといえばショートショートと言われるくらい有名ではないかと思います。

ショートショートとは短編小説の中でも短いものであり、この呼び名が定着するまでは超短編小説と呼ばれていたようです。

表題作である『きまぐれロボット』を含む31編で構成されています。

どれも4ページほどで終わるお話です。

短いお話ですがどれも構成やオチがしっかりとしてクスリと笑ったり、毒を感じたりします。

これだけの話を考える発想力はどこからやってくるのだろうかと思いました。

これだけ短いとどういう意味なのだろうと考える作品もあるかと思いましたが、読み返せばそういうことかとわかるものが大半でした。

 

唯一、物語がまだ続きそうという段階で終わっている感じがあったのが、最後の『あーん。あーん。』でした。

この作品について少し深読みをしてみました。

ネタバレを含みますのでご注意ください。

小さな男の子が泣き始めるところから話は始まります。

お母さんはおもちゃの太鼓を与えることでおさまりました。

また泣き出しますが声が大きくなっています。

新しいおもちゃを与えるとおさまります。

しかし、何度も繰り返しだんだん声は大きくなっていきます。

これでは世間に大変な迷惑がかかってしまいます。

おもちゃはもうないというところまでいったところで、両親は思わず歌をうたいました。

すると男の子はおさまりました。

そこでおもちゃをあげ続けていたからどんどん声が大きくなっていたのであって、歌が聞きたかったのだと解釈をしました。

それからまた泣いた日には歌を歌いました。

違う歌を歌うと泣きやみますが、また泣いて新しい歌をせがんでいる描写でお話は終わります。

 

この先を想像すると、男の子はどんどん新しい歌を求めるように泣き声は大きくなっていくでしょう。

もう歌がないという段階になって違う手段を苦肉の策で投じて成功するかもしれません。

一度うまくいった方法があるとそれを踏襲したくなるでしょう。

しかしあらゆる可能性を考えて実行してみることが大切なのではないでしょうか。

 

わたしには子どもがいないので泣いていてなんで泣いているのかわからないという感覚を味わったことはないので想像の範囲でしかありませんが……

読書会情報

読書会の情報は お知らせ をご覧ください。

募集の案内はLINEでも行っています。

月初に読書会情報を配信しています。

申し込みはLINEからお待ちしています。



LINEの友だち検索「@pgc8174h」でも出てきます。

LINE オープンチャットへのご参加はこちらからどうぞ!

ポッドキャストでも本の紹介をしています

書いている人


小川奈緒/小池高弘『心地よさのありか』(パイインターナショナル)

柏木吉基『「それ、根拠あるの?」と言わせないデータ・統計分析ができる本』(日本実業出版社)

関連記事

  1. 朝倉かすみ『よむよむかたる』(文藝春秋)

    私が主催している札幌ゼロ読書会も参加される方々の大切な居場所になったらいいな…

  2. 読書の目的を見失わないために〜東野圭吾の警鐘〜

    今回ご紹介する本は、東野圭吾さんの『超・殺人事件 推理作家の苦悩』(新潮文庫…

  3. 芥川龍之介『戯作三昧・一塊の土』(新潮文庫)

    こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。「…

  4. 考えるために歩くという選択肢を取り入れる

    私は「考える」という行為が好きです。移動手段としての歩くという行為も好きなの…

  5. 夜の底が白くなった。

    今回取り上げる本は、川端康成『雪国』(新潮文庫)です。古典と呼ばれる作品…

  6. 伊坂幸太郎『楽園の楽園』(中央公論新社)

    こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)と申します。…

  7. 『残月記』で読み解く近未来ディストピア

    今回ご紹介するのは、小田雅久仁さんの『残月記』(双葉文庫)です。天狼院書…

  8. 人間であることの条件とは?

    今回ご紹介するのは、フィリップ・K・ディック『アンドロイドは電気羊の夢を見る…

PAGE TOP