こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、青山美智子『お探し物は図書室まで』(ポプラ文庫)です。
以前、読書会で紹介されたのをきっかけに手に取りました。
2021年 本屋大賞第2位の作品です。
小学校に併設されたコミュニティセンターの図書室の司書である小町さんが本を紹介することで起こる5つの物語です。
図書館には司書さんによる探している内容の本を紹介してくれるレファレンスというサービスがあります。
ふくよかで気軽には話しかけにくそうな雰囲気のある小町さんはぶっきらぼうに話を聞き、素早くキーボードを打ち、本のリストを出力してくれます。
そのリストにはどうしてその本を紹介してくれたのだろうという本が混ざっています。
しかしそれを聞くのははばかられるような雰囲気のため聞くのを避けてしまっています。
本のリストとともにフェルト生地の小物をくれます。
それらの意味を5人の主人公は意味を見出していきます。
これがあなたにとっておすすめの本ですと言われたら、紹介された人はその意味を探そうとします。
そこにおすすめをした理由というものは不要で、説明をしたうえでおすすめしてしまうと先入観があり、解釈の幅を狭くしてしまうのではないかと思います。
答えは本を読んで感じ、考え続けるその中にあるのかもしれません。
小町さんの印象的な言葉を紹介します。
「どんな本もそうだけど、書物そのものに力があるというよりは、あなたがそういう読み方をしたっていう、そこに価値があるんだよ」
青山美智子『お探し物は図書室まで』(ポプラ文庫)(p175)