自分の気持ちが伝わる表現を考える

今回ご紹介する本は、NHK「言葉にできない、そんな夜。」制作班による『その気持ち、なんて言う? プロに学ぶ感情の伝え方』(祥伝社新書)です。

副題として「プロに学ぶ感情の伝え方」とあります。

 

私は文章を書くのが好きです。

このようにして本の感想をブログに書き残しています。

色々と言われていますがSNSのなかでは𝕏が一番のお気に入りです。

それは文章が伝える手段の主体となっているからだと思います。

それでも、日々書きながらも自分の語彙力のなさを感じることもあります。

同じ本の感想文を読んでも、自分が言いたかったことはこれだったなぁと思うことが多々あります。

感情を伝えるための手段として言葉というものがあります。

逆に言えば、感想を伝えるために言葉を使うという方法を選んでいるとも言えます。

文章というのはその言葉という形が顕著に現れるので難しさというものがあります。

対面であれば身振り手振りを踏まえて伝えられる、細かいニュアンスがあると思います。

文章だけではうまく伝わらないことも多々あります。

それだけ難しくもあれば、伝わる楽しさというのが言葉、特に文章というものにはあるのだと思います。

 

この本はNHKの番組が元になっています。

実際にその番組を見たわけではありませんのでどのように進められたかは分かりません。

お題が挙げられてそれに言葉のプロたちが答えるという形式で前半は進んでいきます。

述べられた言葉のあとにちゃんと解説もあるのでその意図を確認することができたのが良かったです。

ただ、その人ごとの思考のプロセスが書かれていたわけではないので、すぐに活かせるとか実践できるとは違ったものかもしれません。

シチュエーションが与えられていて、「この気持ち、なんて言う?」で締められたものに対して答えがあるので、大喜利みたいな感覚がありました。

 

後半はインタビューです。

小説家の朝井リョウさんは、今後メタバースのような仮想空間のなかで交流をすることについて考えていました。

国籍や性別、年齢なども選ぶことができるようになると考えると問われるのは中身であり、それをつくるのは言葉でしかないという考え方が印象的でした。

 

私は語彙力というのはたくさんの言葉を知っていることだとは思いません。

そのときの状況を表すのに自分が知っている言葉で過不足なく伝えることができる人が語彙力が高い人だと思っています。

「雨が降っている」ことを伝えるのに、雨の表現方法を知らずに「雨」というのと、霧雨や豪雨、小雨といった表現を知ったうえで「雨」というのでは文章全体としての厚みが変わってくるように思います。

 

また表現力が高いというのを単に言葉遊びがうまいことであったり、詩的な表現が上手ということにならないように気をつけたいと思います。

これは番組を見たわけではないので、あまり深追いすることはできません。

 

流行りの表現や言葉遣いが必ずしもわるいとは思っていません。

言葉は時代によって変化していくものですので、「最近の若者の言葉遣いは〜」とは思いません。

ただ、それを自分が使うかどうかは考えたうえで使うように心がけていきたいです。

 

使うことによってコミュニケーションが円滑になれば使うべきですし、違和感があれば無理に使う必要はないでしょう。

少なくとも反射的に「!」や(笑)を文末に使うことはしないでおきたいです。

また「。」でも文章を終えるのも私には違和感がなく、むしろ落ち着いた印象を与えられると思っているので臆することなく使っていきたいです。

 

言葉や表現の仕方について考えるきっかけとなった一冊でした。

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