今回ご紹介する本は、伊坂幸太郎さんの『パズルと天気』(PHP研究所)です。
伊坂幸太郎さんの作品を好んで読んでいます。
初めて読んだのは高校生になる直前で『死神の精度』を借りて読みました。
それから伊坂幸太郎さんの世界観にはまり、作品を手に取るようになりました。
主催する読書会で第一回目に紹介をしたのは『終末のフール』でした。
いずれは全作品をコンプリートしたいなと思っています。
こちらの本は、本屋さんに行ったときに新刊として売られており、目に入ってきたので迷わず購入しました。
古賀史健さんの『さみしい夜にはペンを持て』(ポプラ社)でも絵を描かれているならのさんの爽やかな青系統の表紙もなかなか素敵です。
5つの短編が収録されています。
書かれた時期はバラバラとのことで、アンソロジーとして出されたものもあります。
それでもどの作品も伊坂幸太郎さんらしさを感じさせてくれるものでした。
どのあたりがそうさせてくれているのかなと考えてみました。
まずは日常ではなさそうな、でもありそうな会話があるところだと思っています。
そのありそうでないような物事の繋がりを体験できるのも小説の魅力かなと思っています。
私の小説の楽しみ方のひとつとして心に残る一文を探すというのがあります。
自分にとっての名言を探す感覚です。
これはどの作家さんの作品においても意識しています。
名言はそれ自体を切り取っても素晴らしいものです。
また、部分を覚えておくことで全体を思い出すきっかけになるとも思っています。
話のストーリーを追いかける以上に私としてはこちらの方がウエイトが大きいところがあります。
伊坂幸太郎さんの作品にはそのようなハッとさせられる線を引きたくなるような言葉が随所にあります。
哲学的示唆に富んでおり、それは書き抜きをしたところで美しさが変わらないものがあります。
今回読んだなかであげると『パズル』という作品の言葉を紹介したいと思います。
頑張ればパズルはどうにかなるかもしれない。一方で天気は努力ではどうにもならない。
伊坂幸太郎『パズルと天気』(PHP研究所)(p30)
なので他人のことはパズルと思うよりも天気と思った方がいいというくだりです。
この言葉は帯にも採用されています。
文脈も含めてですが、この辺りの前後が好きです。
名言探しの旅のような感覚で伊坂幸太郎作品を味わうのもおすすめです。
正直なことをいうと全ての伊坂幸太郎作品がお気に入りというわけではありません。
中には読みにくさを感じるものもあります。
読みにくいと感じるのは作品に問題があるというよりも舞台設定が現実と離れているといった私には想像しにくいというところがあるかもしれません。
そもそも私は想像しにくいという観点で歴史小説は得意ではありません。
なのでここではどの作品が読みにくかったというのはあげないでおきます。
それでも、ご自身でも渾身の作品だと思ったのがいまひとつの反応で、その後スランプがあったというのを雑誌のインタビューで語られていました。
もしかしたら合わないと感じた作品は意欲的に取り組まれた作品なのかもしれないなと思いました。
今年で作家としての活動が25周年を迎えたとのことです。
これからもどのような作品を生み出していくのかが私はとても楽しみです。
今作では、こんなことってひょっとしたら日常でもあるかもしれないと思いながら非日常を楽しみました。
あなたにとっての名言探しもしてみてください。















