歌は人生を超えない

今回ご紹介するのは、水野良樹『犬は歌わないけれど』(新潮社)です。

 

2025年の文学フリマ札幌で購入しました。

にぎわっているブースがあるなと思って近づき、本を手に取り、興味を持って購入しました。

その際に「サインを書かせていただいてもよろしいでしょうか?」と言われ、よくわからずに「はい」と答えました。

サインを書いていただいたことで、著者が音楽ユニットいきものがかりの水野さんであることがわかりました。

とてもていねいで真面目な方なのだという印象を受けました。

サインを書いていただきました。

いきものがかりとしての活動のほかに、個人として「HIROBA」を立ち上げ、さまざまな取り組みをされているとのことでした。

 

この一冊には26編のエッセイが収められています。

文章からもとても実直な様子が伝わってきます。

 

印象的だったエピソードとして「リアリティはあなたの中に」(p139)を挙げたいです。

何か印象的な出来事があった時期に聴いていた曲には、そのときの感情を思い出させる力があります。

それはうれしかったときもそうですし、つらい出来事があったときもそうです。

たった数分の歌の中に書けることが、聴き手がもつ膨大な人生の物語よりも豊かであるはずがない。

歌が試されるのは、その豊かな物語にどれだけ深く触れられるか、だけだ。

答えを「出す」ことよりも、あなたの心の中の答えに「触れる」ことをいつも考えている。

水野良樹『犬は歌わないけれど』(新潮社)(142頁)

水野さんは、たった数分の歌が聴き手のもつ人生より豊かなはずはないとおっしゃいます。

歌に求められるのは、影響を与えることよりも感情を引き出すことなのだと思いました。

 

アルバイトをしながら仮面浪人をした話も印象的でした。

現役で私立大学に合格したもののやり切れなさが残っていました。

そこでアルバイトをしながら予備校の費用を捻出することで勉強を続けていきました。

その努力が実り大学に合格されていました。

私は大学浪人をしても第一志望の大学に合格することはできませんでした。

今でもそちら側の人生がどうだったのか想像することがあります。

本当に全力だったかを問われると正直にいうとなんとも言えないところがあります。

過去を変えることはできませんのでできるのはこれからです。

過去を振り返ったときに後悔しないように今を全力で生きていきたいです。

 

今まであまりいきものがかりの楽曲を聴いてこなかったので、これを機会に聴いてみようと思います。

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