今回ご紹介するのは、古賀史健『意味よさらば』(バトンズ)です。
古賀史健さんのnoteを毎日読んでいます。東京での文学フリマに向けてエッセイ本を作るという情報を知りました。会場に赴くことは難しかったのでどうにか手に入れることができないかを考えていました。内沼晋太郎さんがホストを務めるポッドキャスト番組「本の惑星」での対談内でバリューブックスで販売すると知り、迷わず購入をしました。
古賀史健さんの代表作といえば『嫌われる勇気』や『さみしい夜にはペンを持て』が挙げられます。『嫌われる勇気』は海外で翻訳もされており、日本を代表するライターと言っても過言ではないと思います。
それでも古賀さんはエッセイを得意とはしていないとおっしゃっています。エッセイは文章における主人公であると以前語られていたのがこちらの本でも書かれていました。それが良い悪いの話ではないと思います。それでも書き手がどの視点から語っているか、読者との関係性はどうかというのは大切なことだと思います。なので自費出版の形でエッセイにチャレンジをしたというのがこちらの一冊になります。
私が特に印象に残ったのは『人生を変える準備が整わないまま』という話です。本を話題にしているとたまに「あなたの人生を変えた一冊は?」と聞かれることがあります。この答えって正直つかみどころがないというかむずかしい問いです。私にとって人生を変えた本があなたの人生も変えるという保証はどこにもありません。また1冊目にその本を読むのと読書を含めたこれまでの人生経験を踏まえてその本に向き合うのでは意味合いがまったく異なってきます。古賀さんの言葉を引用します。
さまざまな人のさまざまな「人生を変えた一冊」とは、その本自体が持つエネルギーによって人生観を一変させているのではなく、その人自身の「人生を変える準備」が整ったタイミングで読んだことが、いちばん大きかったのではないだろうか。
古賀史健『意味よさらば』(バトンズ)(p112)
確かにその通りだなと思いました。少なくとも変わろうと思っていない人にどんな本を与えても変わることはないでしょう。変わらなければいけないわけではなくても、その本から吸収できるものをめいいっぱい受け取ることができる準備はしておきたいと思いました。















