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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の運営をしています。
また、ブログ、SNSやポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回ご紹介するのは、デヴォン・プライス著、佐々木寛子訳『「怠惰」なんて存在しない』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)です。
この本は、他の積読を差し置いてでも読むべきだとおすすめされた一冊です。
本書のテーマはそのタイトル通り、「怠け」は存在しないということ。
現代社会では、どの業界でも生産性の向上が求められ、限られたリソースで最大限の成果を追求する試みが進められています。
そのような環境で、休むことが悪いと感じる方もいるかもしれません。
しかし、著者は「怠惰」という概念を否定し、私たちの行動には必ず理由があると説いています。
「他に何も手をつけられず、ダラダラしてしまうことがある」と感じる方も多いでしょう。
実は、それは体や心が休養を必要としているサインなのです。
そもそも、一日8時間生産的な仕事をすることが求められる現代社会自体が厳しいものです。
ネットサーフィンが悪いものとされがちですが、気分転換や内省の時間として役立つ側面もあります。
時間の使い方に余裕を持たせることで、生活の質が大きく向上することもあります。
私自身、「もっと頑張れたのではないか」と思うことが度々あります。
大学受験で浪人した際も同様に感じましたが、最終的には「そのときの自分にとって最適な行動だった」と受け入れることができました。
最善の行動が取れなかったとしても、その時点での選択は最善だったと考えるのが良いのかもしれません。
また、病気を患ったことで、休むことの大切さに対する感覚も大きく変わりました。
誰かと比べて劣等感を抱くこともありますが、何をもって幸せと感じるかは人それぞれで、比べるものではありません。
社会の波に飲まれないためにも、自分自身の価値観をしっかり持つことが大切だと思います。
自分ではどうにもならないことに執着すると、心が疲れてしまいます。
必要なニュースだけを選び、SNSで見たくない情報はミュートするなど、自分を守る手段も大切だと感じました。
本書の副題は「終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論」です。
休むことは決して悪い行為ではありません。
うつ状態で長時間寝ていることも、その時の自分にとって必要な行動です。
生産性至上主義に疑問を感じている方に、ぜひ手にとっていただきたい一冊です。