こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、池谷裕二 糸井重里『海馬 脳は疲れない』(新潮文庫)です。
円錐書店で購入しました。
2005年に文庫化されたものです。
当然ながら研究が進んでいると思いますが、読んでいて古さを感じさせるようなところはありませんでした。
脳と記憶がテーマになります。
脳の記憶を司る部位を海馬といいます。
この部位が損傷してしまうと記憶に影響が出てしまいます。
おそらく小川洋子さんの小説『博士の愛した数式』(新潮文庫)の記憶が80分しかもたない博士は海馬を損傷していたのかなと思いました。
脳というとなかなかむずかしい話が展開されそうですが、ワクワクしながら読み進めることができました。
そこにはかみ砕いて伝えてくれる池谷さんと聞き手としての糸井さんの力なのかなと思います。
目からうろこの情報がたくさんあります。
タイトルの副題にもある「脳は疲れない」もそのひとつです。
脳は死ぬまで休むことがありません。
常にカラダのあらゆる器官を働かせていますし、寝ているときも夢を見るように動いています。
しかし、疲れたと感じることは当然あります。
肉体労働だけでなく、デスクワークを続けていても疲れたと感じることはあります。
脳は疲れないとすると、疲れているのは目であったりします。
本を読んでいて疲れたと感じるときはアイマスク等で目を休ませるようにしようと思います。
年を重ねると物覚えがわるくなったり、記憶に自信がなくなったりするかもしれません。
それでもそれは脳が衰えるということではなく、脳の適した使い方が変わっていくということでもあります。
30歳を超えるあたりからあらゆるもののつながりを見つける能力が向上していくそうです。
この頃はビジネス書や自己啓発書を読む割合がぐっと減りました。
うまく言葉にできる自信がないのですが、たくさん読んできたことで中心の核となる真理のようなものに気づき、それをどう表現しているかの違いなのだと思うようになりました。
まったく読まないというスタンスではありませんが、これまで読んできた経験をもとにするならば個々の人間がぐっと深くまで思考を巡らせて書かれた小説やエッセイに傾倒するようになりました。
脳の可能性は自分が知っている以上のものがあるので、自分自身で狭くしてしまわないように気をつけたいと思います。