養老孟司『ものがわかるということ』(祥伝社)

今回紹介する本は、養老孟司さんの『ものがわかるということ』(祥伝社)です。

 

本屋さんに平積みされている頃に購入して積読本になっていました。

なんとなくで手に取りましたが、良いものを読むことができました。

 

著者の養老孟司さんは『バカの壁』(新潮新書)が大ベストセラーとなっています。

医学博士であり、大の虫好きとしても知られています。

テーマは「わかる」ということです。

「わかる」とはどういうことなのでしょうか?

養老孟司さんは、根本は共鳴であると述べています。

それは言葉では伝えることのできない感情に対してもそうですし、本であれば故人や登場人物に対してもそうですし、人間だけでなくペットに対しても成り立つものです。

心の動きの問題なので、そこに意味や理由といったものはなくてもいいです。

大人になるとついつい子どものやっていることの意味や理由を問いただしたくなりますが、そのようなことは不要ということになります。

 

「わかる」の根本は共鳴であることを前提とすると、そのための訓練が必要になります。

それが「学ぶ」ということです。

学ぶことそのもののプロセスが大切になるので、どうして繰り返しているかわからないようなことも必要になってきます。

むずかしいのは学んだらわかるようになるとは限らないということです。

学んだことでもっとわからなくなることも多々あります。

それを含めて学びの楽しさだと考えたいものです。

 

学ぶには当然「考える」必要があります。

脳の文武両道の話がありました。

脳への入力は五感を使います。

出力は筋肉の運動のみです。

この文章もスマホを使っているので手の運動です。

話すのも声帯を震わせているので運動です。

実際にカラダを動かすのもアウトプットのひとつです。

あまり大げさに考えなくてもいいのかなと思いました。

 

印象に残った言葉を紹介します。

好きなことをやりたかったら、やらなくちゃいけないことを好きになるしかない。

養老孟司『ものがわかるということ』(祥伝社)(p91)

とありました。

医者になれば当然患者を診ることになります。

しかし、患者を選ぶことはできませんし、仮病を使う人もいます。

それで解剖の道に進みましたが、解剖には亡くなった方が必要です。

人がいつ亡くなるかはわかりません。

そこで達した結論とのことでした。

どの仕事をしようとしてもそれにはどこか必ず作業というものがあります。

世の中のルールがある中で、私たちは生まれてきます。

そう考えると誰もが遅れてスタートしています。

ある程度のことは受け入れて、そのなかでやることを好きになる、少なくとも嫌いでないものを選ぶというのが大切なのかなと思います。

 

「わかる」ってどういうことなのかなと考えました。

完全にわかることはおそらくできません。

わかったつもりになることはできます。

わかることは共鳴であり、相手の立場になり、気持ちがピタッとはまる感覚なのかなと思います。

簡単にはいきませんが、そのための学ぶ努力は続けていきます。

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