今回ご紹介するのは、飲茶『史上最強の哲学入門 東洋の哲人たち』(河出書房新社)です。
本書を通して、まず西洋哲学と東洋哲学の成り立ちの違いを理解することができました。
西洋哲学は、理論を積み重ねることで真理に到達することを目標としています。
既存の理論を更新しながら、新たな枠組みを構築して前進していく思想です。
一方、東洋哲学は「わかった状態」、言い換えれば悟りを開いた人物が、その境地をもとに教えを広めていくという構造を持っていると理解しました。
どちらが優れているという話ではなく、成り立ちの違いを踏まえたうえで、自分にしっくりくる考え方を取り入れていけばよいのだと思います。
インドで生まれた仏教は、次第に東へと進んでいき、最終的に日本へとたどり着きました。
日本人は特定の宗教を持たないと言われることがありますが、それはむしろ、さまざまな宗教や思想を生活の中に自然に取り込む柔軟性を持っているからではないかと感じます。
宗教的なよりどころを持つこと自体は大切ですが、特定の宗教に限定する必要は必ずしもありません。
そのときどきの状況に応じて、必要な考え方を選び取ることができれば十分なのだと思います。
東洋哲学では、悟りの境地の重要性が繰り返し説かれています。
世の中の真理に触れる体験とも言えますが、私自身、これに近い感覚を味わったことがあります。
ただし、それは双極症の躁エピソードの一つでもあるため、積極的に語ることは控えています。
それでも、そのときの感覚は今でも記憶に残っており、私なりに大切にしています。
そこから導き出した結論は、「感謝の習慣を大切にすること」でした。
感謝を意識して生きていれば、天が味方してくれるのではないか、という考えは今も私の心の中に静かにしまわれています。
また、飲茶さんのペンネームの由来についても気になっていましたが、ある禅師が悟りに至った際の逸話に基づいていることを知り、印象に残りました。
本書は西洋哲学編と併せて読みましたが、哲学全体の輪郭をつかむ入門書として非常に優れていると感じます。
今後も引き続き、飲茶さんの本を手に取ってみたいと思います。















