今回ご紹介する本は、フィル・ナイト『SHOE DOG』(東洋経済新報社)です。
副題として「靴にすべてを。」、帯には「世界最高のブランド ナイキを創った男」とあります。
職場の同僚が積読にしているので興味があったら先にどうぞ、ということでお借りして読みました。
スポーツブランドメーカーのナイキの創業者フィル・ナイトによる創業から株式公開までの回想録になっています。
各ページの下は年表になっており今どのくらいの時系列の話をしているのかがわかる工夫がされています。
大学を卒業後、1962年に日本をはじめとする世界各地の旅に出ます。
戦後復興中の日本であり、家族からは心配もされていました。
そこで日本のシューズメーカーであるオニツカ(現アシックス)と出合い、代理販売をすることになりました。
そのために創られたのがブルーリボン・スポーツ社であり、のちのナイキになります。
キャリアを日本の靴メーカーから始まったことを私は知りませんでした。
当時から日本の持つ技術が高かったことをうかがわせます。
靴を売り、そのお金でまた靴を買い売りが続いていくので、手元にあるキャッシュはなく、資金繰りに困難している様子が書かれていました。
また、オニツカ社との関係悪化もあり、独自ブランドを立ち上げていくことになります。
候補名はいろいろありました。
ギリシャの神、勝利の女神の名だ。アクロポリスの丘、パルテノン神殿、アテナ・ニケ神殿。私は旅を振り返った。簡潔で短い。
フィル・ナイト『SHOE DOG』(東洋経済新報社)(262頁)
という背景が決め手であったようです。
タイトルにもなっているシュードッグですが、
靴の製造、販売、購入、デザインなどすべてに身を捧げる人間のことだ。
フィル・ナイト『SHOE DOG』(東洋経済新報社)(265頁)
とあります。
この何かに捧げる人間のことは他のジャンルでも「〇〇ドッグ」というそうです。
それだけ熱い思いを持って仕事に打ち込むというのはいうまでもなく大切なことだと思いました。
熱い思いを持ってできる仕事をつくる、もしくは今している仕事に思いを持って取り組むかなのだと思います。
私はどちらかというと後者の視点で取り組むことが多いですが、本周りの活動については前者かなと思っています。
ナイキのスローガン”Just Do It”は1988年にできたということなので、この本の中では触れられていません。
どういう経緯でできたのかここにもきっとドラマがあるのかなと気になりました。
私はタイガー・ウッズがナイキのキャップを被っているのも印象的なものとして認識をしています。
ウッズとスポンサー契約をしてのも1996年ということでこの本で書かれる後の話です。
ウッズをはじめ契約しているスポーツ選手に問題があったときでも契約を続けています。
その理由として調べてみると、「人間的に完璧でなくとも、挑戦し続けるアスリートを支える」というブランド哲学があったからとのことが書かれていました。
正しいことばかり選べない人間だからこそ、こういう考え方や信頼関係に結びつきは大切だと感じました。
回想録でありながら、仕事にかける情熱をひしひしと感じました。
ビジネス書というよりもドラマを味わっているようであり、読んでいて面白かったです。
きっと今の時代であったら違うやり方もあるのかもしれませんが、その根本の姿勢や思いというの不可欠さは変わらないのではないかと思います。















