荻原浩『海の見える理髪店』(集英社文庫)

こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の運営をしています。

また、ブログ、SNSやポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

 

今回紹介する本は、荻原浩さんの『海の見える理髪店』(集英社文庫)です。

2022年12月に東京神田の神保町に行きました。

棚貸しの本屋さんPASSAGE内のこころば書房で購入をしました。

 

表題作を含む6つの短編で構成されています。

荻原さんの作品は初めてだと思っていたのですが、以前アンソロジーで『遠くから来た手紙』を読んでいたようです。

いずれも家族の関係を描いた作品となっています。

 

特に印象に残ったのは、表題作の『海の見える理髪店』でした。

海辺の小さな理髪店に訪れた青年と店主の語りで話が進みます。

店主はかつて大物俳優の理髪も行っていたということで腕は確かです。

仕事に臨む姿勢にもプロフェッショナルを感じさせます。

このような発言があります。

仕事っていうのは、つまるところ、人の気持ちを考えることではないかと私は思うのです。

お客さまの気持ちを考える。

一緒に仕事をしている人間の気持ちを考える。

床屋にしろどんな店にしろ会社員にしても、それは変わらないと思うのです。

荻原浩『海の見える理髪店』(集英社文庫)(p16)

確かにその通りだと思いました。

仕事というのはどんなものであれ、その先には人がいます。

自分がサービスとして受け取るときもこの考え方は大切にしたいです。

腕も考えも一流の理髪師がなぜ小さな理髪店をやっているのか。

語りの中で急展開を迎えます。

最後には、なぜ青年がこの理髪店を訪れることにしたのかまですっきりと描かれていました。

理髪師は最後までプロとして仕事を遂げましたし、客である青年も客であり続けました。

こういう関係性を守るのも大切なことなのだと感じました。

 

他の作品もテーマは家族となっています。

理想の家族を考えることはあります。

そのまえにそもそも普通の家族ってなんだろうと考えます。

平均というものがあってもそれをすべて網羅する家族はないのだと思います。

自分や自分たちにとっての幸せは自分たちで考えていかなければいけないと感じました。

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