中田潤『新庄くんは、アホじゃない!』(飛鳥新社)で、新庄氏の魅力を考えた。

今回ご紹介する本は、中田潤さんの『新庄くんは、アホじゃない!』(飛鳥新社)です。

小学生の頃は、本を読もうと思ってもお小遣いに限りがありますし、大きな本屋さんにもなかなかいくことはできません。

そうすると自然と図書館に行くことになります。

この本は確か兄が借りていて、そのまま私が読んだと記憶しています。

そのタイトルと表紙がとても印象的で2025年のファイターズの勢いを感じて、再読したくなり購入しました。

 

初版は2001年4月となっています。

新庄選手がちょうど阪神タイガースからFA宣言をし、ニューヨークメッツへ移籍することになったところから始まります。

その当時の北海道は地元球団を持っていなかったので、テレビ放映が多い読売巨人軍のファンが多かったです。

私はゲームで使い始めた球団のタイガースがお気に入りとなり、帽子をかぶって学校へ行っていました。

その当時直接プレーをみることはありませんでしたが、今振り返ってみるとそのカリスマ性はすごいものがありました。

 

この本で触れられているのは幼少期のエピソードからプロ入りしてのエピソードが含まれています。

今は申告敬遠があるのでそもそもの可能性はありませんが、敬遠球をサヨナラ打にしたのは有名な話です。

しかもそれを事前に準備していたとのことです。

 

高打率というわけではなかったもののここぞというところでの勝負強さがありました。

それ以上に評価される部分として守備があります。

この本にも守備でお金が取れる選手という記述がありました。

触れられてはいませんでしたが、新庄選手が初任給で購入したグローブを引退まで使い続けたのは有名なエピソードです。

派手なところばかりに目が行きがちですが、案外とは言っては失礼かもしれませんが全ての行動に裏付けられる考えがあるのだと感じました。

 

そんな新庄選手がメジャーから帰ってくるときに、ファイターズに入団すると決まったときはとても驚き嬉しかったです。

実際に札幌ドームでプレーを見ることもできました。

シーズン序盤に引退宣言をしたのもびっくりでしたが、そのときに本当に優勝し日本一になるとは思いませんでした。

 

現役に再挑戦とトライアウトを受けたのも監督への布石であったとどこかで目にしました。

指導者経験がなく、良い意味で何をするかわからない新庄氏を監督にするのはとてもリスキーだなと正直思いました。

それでも今のファイターズを見ているととても選手がいきいきしていると感じます。

ツーランスクイズやダブルスチールを見ていると見ているこちらもワクワクします。

監督就任会見時には「優勝は目指しません」と言い、どきりとさせました。

その真意は一試合ずつ向き合うことの結果が優勝につながってくるとのことでした。

またプロスポーツ球団の持つ意味として地元の人の生活が華やかになることを挙げていました。

実際に私の周りには以前と比べてやはりファイターズファンが増えたように感じます。

 

この本を刊行された当時の人に今のこの状況を伝えても誰も信じてくれないと思います。

突飛と思える行動の裏側にもしっかりとした理念があり、それに基づいて行動されているのだと思います。

超一流のエンターティナーとしてもこれからも新庄さんの活動を追っかけたいと思います。

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書いている人


薬袋善郎『基本文法から学ぶ英語リーディング教本』(研究社)に、学生時代に出合いたかった。

岸見一郎『ゆっくり学ぶ』を読んで、学びの楽しさを考える。

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