吉田修一『静かな爆弾』(中公文庫)

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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の運営をしています。

また、ブログ、SNSやポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

 

今回紹介する本は、吉田修一さんの『静かな爆弾』(中公文庫)です。

吉田修一さんの作品は多くを読んでいるわけではありませんが、『横道世之介』(文春文庫)がお気に入りです。

読みやすさと人の内面を描く様が私は好きです。

 

テレビ局に務める俊平が物語の主人公です。

ある日、公園で閉館時間のアナウンスをしている声に全く気づいていない様子の女性に出逢います。

近寄って教えてあげたことが響子との出逢いでした。

彼女は聴覚にハンディキャップを負っています。

なので俊平との会話はジェスチャーも交えますが、基本的には筆談です。

二人は自然と距離を縮めていくことになります。

 

誰かを驚かせようとそっと近づいたこと、されたことがある経験がある方は多いかと思います。

耳が聞こえない人にとっては、いつもそっと近づいてくるものしかないというのが私にはわからない感覚であり、新鮮でした。

 

俊平は仕事が忙しくなっていき、だんだんと二人の距離感がずれていきます。

ある日を境に響子と連絡が取れなくなってしまいます。

この時に俊平は彼女のことをどれくらい知っているのだろうと振り返ります。

 

例えば、家族でも恋人でも突然連絡が取れなくなったらどう思うでしょうか。

大喧嘩をしてそれ以降会わないというなら、納得できるところもあるかもしれません。

しかし、もし引き金が分からなかったらどうするでしょうか?

連絡をし続けても一向に反応はありません。

この作品ではメールです。

メールだと向こうが読んでいるかどうかまでは分かりません。

LINEだと未読のままだとブロックされたのかなと思うのかもしれません。

 

決定的な何かがわからず、連絡が届いているかわからなくなる状況はいつでも起こりうるものです。

「静かな爆弾」に火がつくのはいつか分かりません。

そもそもそうならないように日頃のコミュニケーションをしっかりと取ることが大切だと思います。

しかし、その一言で結論づけるにはもったいないほどの人の心の動きを感じることができました。

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