こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
読書会の開催や発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、渡辺祐真/スケザネ『物語のカギ』(笠間書院)です。
本屋さんを散歩していたところ面白そうだなと思い購入をしました。
小説に限らずあらゆる物語に触れるなかで、より深く味わうことができればと思い読んでみました。
著者の渡辺さんとは同じく1992年生まれであり、同じ生まれの年の方の活躍をみると自分も頑張らねばと奮い立たせてくれるものもあります。
序章では「なんで物語を読むのか?」について書かれています。
答えのひとつはとてもシンプルで「面白いから」と答えています。
読んだら何かが得られるということが前提ではなく、読んでいるその瞬間に楽しさを感じたり、結末に向かうワクワク感がたまらなくてページをめくる楽しさを感じるところに読書のモチベーションが潜んでいるのかもしれません。
また、物語というのは即効性のあるものではありませんが、じわじわと効いてくるところがあります。
たまに思い出す小説のフレーズやシーンというものがあります。
あそこでそういうふうになっていたからこうしてみようということが実際にあるのです。
そういうところから私も物語というものは実学だと思っています。
物語を深く味わうためのヒントを「カギ」として38紹介されています。
すでに実践しているものもありましたが、技術的なところ以外では、視点の移動というものが大切だと感じました。
時には助詞レベルまで注目するのも大切ですが、一方で対局的に俯瞰して見ることも大切です。
ミクロとマクロの両方の視点を持ちつつ味わうことが大切だと感じました。
懐かしい気持ちになったのもあります。
それは「物語の多義性」を味わうために要約文をつくるというものです。
「〜が〜をする物語」という主人公の行動のパターンと、「〜が〜になる物語」という主人公の変化を要約する2つのパターンがあります。
これをすることで自分がどのようにその物語を捉えているのかわかります。
このワークですが高校の授業でやっていました。
同じ物語を読んでも人によって違う要約文が出てきました。
それだけ物語というのは捉え方がさまざまであり解釈のされ方はたくさんあるということです。
読むなら深く物語を味わいたいものです。
この本で紹介されているのをヒントにこれからも物語を味わいたいです。