今回ご紹介する本は、渡邊康弘さんの『没入読書』(サンマーク出版)です。
私はこの本を「ぷらっとBOOK」で購入しました。
著者の渡邊さんは、「年間3000冊以上読破する読書家」と表紙に記されています。
これほど多くの本を読みこなしているという実感があれば、生活に変化が訪れるのは当然のことかもしれません。
「何をもって本を読んだと言えるのか」は、人それぞれに異なると思います。
渡邊さんの次の言葉が印象に残りました。
私にとって読書とは、「心に響く一文に出合えるかどうか」です。
渡邊康弘『没入読書』(サンマーク出版)(p32)
この考え方には、私も深く共感します。
ただし、読書のスタイル自体は、私とは異なる印象を受けました。
その背景には、渡邊さんが開発した「レゾナンスリーディング」という手法があります。
詳しい方法は本書に譲りますが、フォトリーディングとフューチャーマッピングを組み合わせたような技法という印象を受けました。
ツールや発想法を駆使しながら、読書を進めていくスタイルです。
一方、私の現在の読書スタイルは、フォトリーディングのテクニックを取り入れつつも、頭から最後まで読み通し、感想文を書くところまで含めてじっくり取り組むというものです。
時短を目的とするのであれば、読書法を変える必要があるかもしれませんが、今のスタイルが自分に合っていると感じています。
本書を読んでレゾナンスリーディングに興味を持った方は、直接指導を受けることも検討されると良いかもしれません。
レゾナンスリーディングによって、渡邊さんは「没入読書」を実現していると言えるでしょう。
私自身は、読んだ本の数を誇る必要性をあまり感じておらず、最近では読書数のカウントをやめました。
広く浅く読むよりも、狭くとも深く読むことの方が、より価値があると考えています。
その「深く読む」ための手段として、必要に応じてツールや方法論を取り入れていきたいと思っています。
2時間の映画が2時間で伝えるからこそ成り立つ感動があるように、本にもそうした時間的な密度があると感じています。
だからこそ、「速く読むこと」が目的にならないよう、意識的に気をつけたいところです。
もっとも、本書の主眼は「速読」ではなく、どれだけ深く、どれだけ没入して読書できるかという点にあります。
現代人が本を読めなくなっている背景には、「忙しさ」だけでなく、「集中力の低下」もあるといわれています。
本書では、読書に集中できる環境をどう整えるかについても触れられており、実践的なヒントが詰まっています。
私も通勤時の地下鉄と、仕事中のお昼休憩を「読書タイム」として確保することに決めました。