こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)と申します。
「本を語る、人と繋がる」をテーマに、札幌ゼロ読書会の運営をしています。
また、ブログやSNS、ポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回ご紹介するのは、若林理砂『謎の症状 心身の不思議を東洋医学からみると?』(ミシマ社)です。
著者の若林理砂さんは臨床家・鍼灸師です。
別の本ではペットボトル温灸や爪楊枝鍼といった身近な道具でできるセルフケアもご紹介されています。
病院に行くほどではない、もしくは何科を受診したらよいかわからない症状があります。
その質問に対して東洋医学の観点から答えています。
ところどころに漢文が出てきます。
もちろん訳文もありますので安心して読むことができます。
謎に答えていく前に体質のタイプが重要であることを感じました。
質問にチェックすることで冷か熱、乾か湿に分類されます。
2×2の4タイプということですね。
私は冷乾タイプであるようです。
これらのタイプによって出やすい症状というのがあるようです。
また、同じような症状でもタイプによって対処方法が異なる場合があることについても述べられていました。
なので一度問診をしたら終わりではなく、話しながら症状を聴きながら治療を進めていくとのことです。
西洋医学の観点からすると東洋医学の治療法は不思議と見られることが多いかと思います。
鍼やお灸をすることで身体の調子がよくなるというのも一見すると不思議なことです。
薬の成分がどうこうと言われたほうが科学的というふうに見えるかもしれません。
ただ、患者の立場からすると健康の状態を目指し、つくることができるならば手段は別にいいということになります。
私は病院で処方される薬を毎日飲んでいますが、鍼灸院にも通い、毎日のようにお灸をしています。
それぞれには得意分野があるのでうまくいいとこどりをするように活用できればいいのではないかと思います。
具体的な病気になってからの対処は西洋医学のほうが強い印象を受けています。
東洋医学は病気ではないもののなんとなくの不調である未病を癒すのに向いているのではないかと思います。
また、鍼灸師といった東洋医学で治療する場合も症例として西洋医学の知識を学んでいることが書かれていました。
どちらの分野でもトンデモ医療は存在するので見極める目は必要になります。
そのうえで自分にとって相性のいいかかりつけ医をもっておくことは大切だなと本書を読んで改めて感じました。