文学を通して自己カウンセリングをする

今回ご紹介する本は、東畑開人さんの『カウンセリングとは何か 変化するということ』(講談社現代新書)です。

三宅香帆さんとのオンラインイベントの情報を得て購入して読みました。

そのオンラインイベントの内容が「読書とカウンセリングと個人主義〜人生における文学の役割とは何か〜」でした。

 

イベントでは、本を読むこととカウンセリングの共通点について冒頭でお話しされていました。

その共通点とは個人を相手にしているということです。

本を読んでどう思うか、変化をするのはその本を読んでいる人です。

カウンセリングは一対一の関係性で続けられるものです。

社会を変えようと思ったら全体にはたらきかける何かをするという考えも重要です。

でも一人で行う行為が無意味なものかと言われるとそのようなことはないと私も思います。

一人一人が変化をしたり良い状態へなっていくことで社会全体が良い方向に向かっていくと信じています。

 

本書ではそもそもカウンセリングとはどのような手順で進められていくかについて書かれています。

ビジネス上でもアイデアに困ったときにとりあえず話してみる「壁打ち」というものがあるようにカウンセリングも聴くことが主体です。

案外、人の話をちゃんと聴くというのは難しいものです。

ついつい自分が次に何を話そうか考えてしまいます。

クライアントが話をする中で自分自身で気づきを得るのが大切なのだと感じました。

そういう意味ではカウンセラーは何もしてくれなかったというのが逆説的ながら正しいのかもしれません。

 

私自身はカウンセリングを定期的に受けたことはありません。

でも本書やイベントを通して文学で自己カウンセリングをしていたのかなと思います。

私はあらゆるメディアの中で文字媒体が好きです。

それは自分の速さで情報に接することができるからです。

動画を倍速せずに観るだけの感覚とも違います。

小説であれば登場人物と自分を重ね合わせて考えることができます。

ゲームと違うのは登場人物が思い通りには動かないということです。

この思考との違いが自分に内省をもたらしてくれるのだと思います。

 

また、小説は作品として閉じた世界を表現しています。

私たちは生きていく中で自分の物語を生きています。

過去の出来事がフラッシュバックするのは過去の物語をまだ閉じることができていないのかと思います。

そういったものに折り合いをつけていくためにも文学に触れたり、カウンセリングを受けたりというのは有効な手段であると感じました。

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