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今回ご紹介するのは、高橋源一郎さんの『「読む」って、どんなこと?』(NHK出版)です。
高橋源一郎さんの『「読む」って、どんなこと?』を手に取ったのは、日々本を読む中で「読む」という行為そのものについて考えたくなったからです。
本を読むとはどういうことなのか、その問いに答える手がかりを求めてこの本を読み始めました。
本書を読み進めるうちに、「読む」という行為にまつわる豊かな世界と、その奥深さに気づかされました。
特に印象的だったのは、学校では取り扱われない文章について触れられている部分です。
学校教育では、文章が「道徳」と結びつくことが多く、取り上げられる作品がその基準によって選ばれていることに改めて気づかされました。
それは悪いことではないのですが、一方で道徳的な枠組みから外れる文章が持つ力や可能性が見過ごされてしまう危険もあると感じました。
学校教育が一定の価値観を育てる場である以上、これは避けられない側面かもしれませんが、それでも「読む」ことの本質にはもっと多様な要素が含まれるのだと思います。
また、「読む」という行為そのものについて語られた冒頭の「手引き」の部分も心に残りました。
本書を読む中で、「読む」という行為に特別な技術や準備が必要なわけではなく、学校の国語の授業や日常的な読書の中で自然とトレーニングされていることを実感しました。
「読む」ことは決して難しいことではないという視点は、読書に対する不安や苦手意識を持つ人にとって希望になるでしょう。
これをきっかけに、もっと自由に読書を楽しんでいいのだと感じました。
読書を通じて納得したことの一つに、文字を追うことが「読む」ことではないという考えがあります。
本当に「読む」とは、書かれた内容を自分の言葉で考え、理解し、自分の視点を交えて向き合う行為です。
ただ表面的に書かれたことをなぞるだけではなく、自分なりの解釈や疑問を持つこと、それこそが「読む」ということなのだと思います。
この本を通して、ただ読むだけではなく「考えながら読む」という姿勢の大切さを再認識しました。
本書を読み終えて、「読む」という行為に対する自分の向き合い方も少しずつ変わりそうです。
これからは、まず書かれていることを正確に受け取り、その上で自分がどう感じたのかを丁寧に考えていきたいと思いました。
本を読むことは他者の言葉に触れることであり、同時にその言葉を通じて自分自身を見つめる行為でもあります。
この本を読んだことで、その両方を大切にする姿勢を育てたいと思いました。
『「読む」って、どんなこと?』は、読書の意味や楽しさ、可能性を考える上で素晴らしいガイドとなる本でした。
これからも繰り返し本書を手に取り、自分の読書観を深めていきたいと思います。