旅と日々の生活は地続きなのかもしれない

久しぶりにシアターキノに行ってきました。

観た映画は『旅と日々』です。

ブックコーディネーターの内沼晋太郎さんがポッドキャスト『本の惑星』で触れていたのをきっかけに興味を持ちました。

つげ義春さんの漫画「海辺の叙情」と「ほんやら洞のべんさん」を原作としています。

 

どういうお話かを考えてみると、「韓国の女性脚本家が自分を取り戻していくお話」と私は要約します。

この女性脚本家が書いた作品が劇中作として出てきます。

その脚本に納得はできていない様子で行き詰まりを感じています。

そこで旅をすることをおすすめされ北国へと向かって、と話が進んでいきます。

 

旅と旅行の違いはなんだろうと辞書で調べてみました。

自宅を離れてよその土地へ行くこと。旅行。

(岩波国語辞典)

と旅を引いてみるとありました。

旅行を引いてみても、「自宅を離れて」の部分がないだけで同じでした。

辞書的な意味は変わりませんが、受ける印象は私は違います。

水曜どうでしょうは旅番組だと思っていますが、旅行をしているという感覚はありません。

私なりに考えてみるとそれは目的の有無なのではないかと思います。

旅行には目的があります。

誰かに会うとか、美味しいものを食べるとか、観光地に行くのもそうですし、温泉にゆっくり浸かるのもそうです。

一方の旅は目的を必要としないのではないかと思います。

自分の興味の赴くままに散策をするイメージがあります。

この映画での女性脚本家も行き先を決めるだけで宿を予約していませんでした。

満室と断られた結果たどり着いたのは古民家でおじさん一人が住んでいるようなところでした。

大きな目的を持たないからこそ、自分と向き合う時間が必然的に多くなってきます。

自分と向き合う時間を旅の醍醐味と考えるならば、日々の日常というものは旅の根本になっているのかもしれません。

 

女性脚本家は旅に出る前にカメラを譲り受けました。

「結構重いんですね」とぽろっというと、軽いものを手にすることになりました。

私は写真を撮ることが好きなので通勤の際もカメラを持ち歩くようにしています。

そこで思わず目にしたものを撮るようにしています。

バズーカみたいなレンズをつけているわけではないので、持って移動するのも苦になりません。

写真を一枚も撮らない日ももちろんあります。

むしろそういう日のほうが多いです。

でもカメラを持っていることで、見える景色が以前とは変わったような気がしています。

 

自分の住んでいる町を旅をするような視点で眺めてみると新たな発見があります。

自分の町を旅人のように楽しむことが、実際に旅に出かけたときの味わいにつながっていくのだと思いました。

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