2025年の文学フリマ札幌で購入した本を着々と読み進めています。今回、[編]蒔喜文庫編集部『文學再啓』(蒔喜出版)を読みました。現代作家によるアンソロジーです。大きな特徴としては一度は名前を聞いたことがあるような名作文学をモチーフにしているという点です。あまりこういった類の小説を読んだことがなかったので新鮮でした。
感想としては内容を知っている作品がモチーフとされているものは元のものとの距離感がわかっているので近いなと感じるものが多かったです。わるくいってしまうと予想できる結末に落ち着いてしまうという感じです。なので名前は聞いたことがあっても読んだことがない作品のほうが楽しむことができました。これは小説を先に読んでから観た映画がイマイチと感じることが多いのに似ているので仕方がないことかなとも思います。
9編の小説が収められています。特に印象に残ったのは麓瀬守さんの『をかしな先輩』です。この作品は清少納言の『枕草子』をモチーフにしています。文芸部に入部した少女が先輩から色々なことを教わっていく話です。
本に関する記述が印象的だったので引用します。
本を読めば、先人たちの知恵を学ぶことができるけれど、実際にこの世界を歩み、自然の鼓動を体験することで、初めてその本質の美しさに気付くことができる。
[編]蒔喜文庫編集部『文學再啓』(蒔喜出版)(p65)
確かにそうだなと思いました。本を読むことであらゆる知識を得ることができます。それ自体でも素晴らしい嬉しいことです。そしてそれが日常生活と結びつく瞬間というのはさらなる喜びをもたらしてくれます。それがいつになるかはわかりません。すぐに役立つ本もあれば忘れた頃に思い出すような本もあります。本というのはそういうタイミングを気にすることなく、どんどん楽しんで良いのだと改めて思いました。
蒔喜出版は札幌の出版社ということでイベント等でお見かけした際にはまた手に取ってみたいと思います。















