知っている人に相談をしたい

今回ご紹介するのは、坂口恭平『苦しい時は電話して』(講談社)です。

著者の坂口恭平さんは自殺念慮の方からの相談を受ける「いのっちの電話」というサービスをやっていました。
過去形です。現在はサービスを終了しています。その理由は坂口さんの言葉でnoteにつづられています。この話題を聞いたときにどんな思いでこれまでやっていたのを知りたくて借りて読んだ本を購入し、再読をしました。

そもそも「いのっちの電話」を始めたのはシンプルな理由でこの国から自殺者をゼロにしたいという思いからでした。
2025年の自殺者数は過去最低であるものの1万9千人ほどになっていました。これほどの自殺者を生んでしまっている国が先進国と言えるのか、という投げかけもありました。

坂口さんは躁鬱病(双極症)であることを公表し、鬱になると死にたい気持ちになることを告白しています。
でもそれは不思議なことではありませんし、むしろ懸命に生きようとしているからであると言います。

鬱というのは脳のエラーでもあるのでそういうときは何を考えてもうまくいきません。
そういうときにちょっとした人に相談できると気分がすっきりするものだと思います。でも案外身近すぎる人に相談するのはむずかしい場合があります。かといって知らない人に相談して返ってくるアドバイスが腑に落ちるかもわかりません。そう考えると坂口さんの活動に共感する人が坂口さんに相談するという構図はとても良かったのだと思います。

今回、事情によりサービスは終了しました。
気分を害した方がいることについてあれこれ言うのは控えたいところです。その方も坂口さんとわかっていて連絡をしたはずなのにそのような結果になってしまったのは正直残念でした。坂口さんはこのサービスを無料でやっていました。繋がらなかったときは折り返しもしていたそうです。残念がるくらいならあなたがやりなさいというのが正論だと思います。自分にとってできる形で社会への貢献を考えていきたいです。

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