今回ご紹介する本は、phaさんの『しないことリスト』(だいわ文庫)です。
phaさんの肩書きに元「日本一のニート」とあります。
大学を卒業し、就職をして働きますがあくせくと働くのに疑問を感じて退職します。
無理のない生き方を模索していくなかでネットを活用していきます。
現在ではシェアハウス等の運営もされネット発信や著作も残されています。
あれもしなければこれもしなければとやらなければいけないことはどんどん膨らんでいきます。
好きでやり始めたこともだんだんとやらなければいけないことになり、楽しさを忘れてしまうことがあると感じています。
そのなかでまずやらなければいけないことは本書のタイトルにもなっている「しないこと」を決めることです。
これは神田昌典さんの『非常識な成功法則』(フォレスト出版)にも通ずるところがあります。
神田さんは、やりたいことの前にやりたくないことを書き出せとおっしゃっています。
やりたいことをいきなり考えるとその中にやりたくないことが内包される可能性があると言います。
例えば、やりたいことをいきなり考えようとした場合、「営業の成績を上げる」としたとします。
でも、そもそもやりたくないことを考えたときに「媚を売るような営業をしたくない」と考えると、そもそもアプローチの仕方が変わってきます。
やらなければいけないこと、やりたいことさえどんどん増えていく可能性があります。
だからこそ「しないこと」や「やりたくないこと」を明確化しておくことが大切です。
phaさんが考えるしないことリストが36掲載されています。
所有しない、努力しない、自分のせいにしない、期待しないの章立てとなっています。
私が特に印象に残ったのは、「何かのためにしない」(p166)でした。
何かをするときは、「それが何の役に立つか」を考えるよりも、そのこと自体を楽しむのが健全だ。
pha『しないことリスト』(だいわ文庫)(p167)
とあります。
私は好きで本を読んでいます。
眠い目をこすりながら本を読むことはしません。
読む本も自分が読みたいと思った本しか読んでいません。
偏りがあるとは思いますが、時間は有限であり読みたくない本を読むパワーがないのでそれでいいと思っています。
興味のおもむくままに読んでいくことで結果として世界の広がりを感じているのでこれからもそうしていくつもりです。
何にも期待せずにだらだら過ごしましょうと言っているわけではありません。
しないことを考えた先に何があるのでしょうか?
phaさんは「おわりに」でこう書きます。
たぶん、「何がしたいか」「何をするべきか」を探していくのが、生きるということだ。
人生の「したいことリスト」は自分で作っていこう。
pha『しないことリスト』(だいわ文庫)(p198)
「しないこと」を決めるのは決してネガティブなことではなく、「したいこと」「やるべきこと」を考えていくための第一歩なのだと改めて感じました。
双方のリストを日々アップデートさせながらこれからも過ごしていきたいです。