今回ご紹介するのは、大島育宙さんの『なぜあなたの感想はふつうなのか』(大和書房)です。
副題として「独自の視点で語る技術」とあります。
本屋B&Bのイベントをきっかけに手に取りました。
イベントでは『本当のことを書く練習』(ダイヤモンド社)の著者である土門蘭さんと対談されていました。双方の本の理解を深める場としてとても良かったです。
私はこのように読んだ本の感想をブログに記録として残しています。
SNSにも投稿していますし、その延長線上として読書会で紹介もしています。当然ながら自分でもうまく伝えられたと思うこともあれば手応えがイマイチという場合もあります。その理由を考えてみると自分の感想として自信を持っているかなのだと思いました。
本書では、感想というものは即時的なものであるとしています。その一方で批評というものがあります。これには過去や未来を見通して切り口を意識して伝えるものになります。それが発展していまや考察というのが一つのジャンルとして成立しています。本書で目指しているのは感想と批評の中間に当たる「独自の感想」です。感想自体は本来自由です。それなのにモヤモヤとした感情を抱くのは「感想をうまく言葉にできないことでストレス」を抱えるからなのでしょう。自分の言葉ではうまく表現できないのでネットで感想を検索し、それが代弁のように感じてしまうのでしょう。
多くの人が感想を書き残している現代のはまさに「感想検索病の時代」だと思いました。
これは本に限らず、飲食店探しで星の数を気にして選んだことがある方は多いのではないかと思います。次に読む本を感想検索で見かけたものを、という方もいらっしゃるかと思います。大島さんは独自の感想を書いていくうえでこの感想検索を肯定しています。感想を検索することを先行批評を調べることと捉えています。ありとあらゆるものを調べたうえで、それでもなお語られていない言葉を考えていくことを勧めていました。私は自分の感想を書くまえに検索をすることはしていません。とっかかりがつかめなそうなときに試してみたいです。
読書を習い事のように続けていくために読書会が勧められていました。
ここで取り上げられている読書会はいわゆる課題本型の読書会です。共有の事前に読んできて語り合うものです。事前準備をして「ここいいよね!」と「ここどう思う?」をマーキングしてもらうのはいいなと思いました。また、永井玲衣さんがおっしゃっていたという「答えではなく問いを持ち寄る」という観点がとてもいいなと思いました。読書会というのは読書を習慣にするのに良いイベントだと思います。
感想を書くうえで世間一般と似てしまう点で「ふつう」となるのは仕方がないと思います。
でもそれが考えたうえなのか、誰かの意見の焼き直しなのかでは意味が大きく異なります。感想検索という手法を使うなら独自の視点だと思えるところまで粘る必要があります。いずれにしても自分だからこそ感じた何かが必ずあるはずです。感じた何かを深掘りしていけば、そこには必ず自分独自の視点を持った感想に育っていくと思います。















