小川糸『キラキラ共和国』(幻冬舎文庫)

こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。

「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の運営をしています。

また、ブログ、SNSやポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。

 

今回紹介する本は、小川糸『キラキラ共和国』(幻冬舎文庫)です。

小川糸さんの『ツバキ文具店』シリーズ第二作目です。

鎌倉で文具店と代書屋を営む鳩子さんが物語の主人公です。

近くでカフェを経営しているミツローさんとその娘さんのQPちゃんと家族になるところから話が始まります。

 

代書屋とは字のごとく代わりに手紙を書く仕事です。

依頼人の要望に応えるためにヒアリングをし、文具を選んで書いていきます。

手紙は書くほうが読むほうより時間がかかります。

ただ書き手は納得をしたうえで相手にメッセージを伝えることができます。

ツバキ文具店シリーズを読んで、最近後回しにしていた読書会への参加のお礼のハガキを改めて書いていこうと思いました。

 

前作との大きな変化としては鳩子さんが家庭をもっているということです。

ミツローさんの奥さんであった美雪さんは通り魔の事故により亡くなっています。

なので鳩子さんはQPちゃんの継母となります。

血のつながった子ではありませんが、愛おしく接している様子になんだかほっこりとしました。

 

印象に残ったところを紹介します。

「どんなに相手の不幸を望んだって、それで自分が幸せになれるわけではないんだ、って気づいたんだ。手紙を書きながら」

小川糸『キラキラ共和国』(幻冬舎文庫)(p325)

家族で、亡き美雪さんに手紙を書くシーンがあります。

そこでミツローさんが発した言葉です。

幸せを誰かと比べることはできません。

それと同じように不幸も比べることはできません。

比べることができないのであれば今、ある状況に感謝をして過ごしていくことが大切になっていくと感じました。

 

「キラキラ」の言葉は鳩子さんの隣人のバーバラ婦人が魔法の言葉として教えてくれたものでした。

バーバラ婦人の言うように、辛い状況でも目を閉じてキラキラと唱えると世界の見え方が変わってきそうです。

読書会情報

読書会の情報は お知らせ をご覧ください。

募集の案内はLINEでも行っています。

月初に読書会情報を配信しています。

申し込みはLINEからお待ちしています。



LINEの友だち検索「@pgc8174h」でも出てきます。

LINE オープンチャットへのご参加はこちらからどうぞ!

Facebookオンラインコミュニティはこちらから

音声でも本の紹介をしています

書いている人


鏡リュウジ『流れるままに進め 魚座の君へ贈る言葉』(サンクチュアリ出版)

キム・イナ『わたしたちの心をつなぐ ふつうのことばたち』(イーストプレス)

関連記事

  1. 梨木香歩『西の魔女が死んだ』(新潮文庫)

    こんにちは、井田祥吾(@shogogo0301)です。読書セラピストとし…

  2. いい人が周りにたくさんいる人生

    今回紹介する本は、ファン・ボルムさん(牧野美加さん訳)『ようこそ、ヒュナム洞…

  3. 朝井リョウ『正欲』(新潮文庫)

    こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)と申します。…

  4. 故郷とはそこにあるもの

    こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。「…

  5. 謎を解く鍵がちゃんと用意されているとうれしい

    今回紹介する本は、『Jミステリー2023 FALL』(光文社文庫)です。…

  6. 幸村しゅう『私のカレーを食べてください』(小学館…

    こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。「…

  7. 森沢明夫『大事なことほど小声でささやく』(幻冬舎…

    読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。読書セラピスト…

  8. 住野よる『君の膵臓をたべたい』を読んで考える「運…

    第17回「本を語る読書会」で紹介した一冊です。友人からのオススメをきっか…

PAGE TOP