相手に気持ちを伝えてあとは委ねる

「本が好きです」といろいろなところで言いふらしていると、本をおすすめされる機会がよくあります。
おすすめしてくれるというのはそれなりの理由があるはずですので、できるだけ読むようにしています。ただ、「こういう本がおもしろかったよ」というのと「これはあなたにおすすめです」というのは厳密には違うと思っています。話のネタとして本を挙げるのとその本を読んでほしいというのは違うでしょう。どうであれ読みたいと思った本はなるべく買って読むようにしています。「面白かったから貸すよ」と言われることも多いですが、なるべく購入をして読むようにしています。身銭を切って読むことでたとえイマイチだと感じたときも責任の矛先を自分に向けることができます。本の面白さを他人に委ねないということですね。

前置きが長くなりました。今回、叔母さんから紹介されて武者小路実篤『友情』(新潮社)を読みました。
高校の便覧で著者の名前は知っていましたが、作品を読むのは初めてでした。

野島という青年が主人公です。友人の妹である杉子に恋をします。
その恋の顛末がどうなるかという話なのですが、文庫本のカバーの裏には「大失恋小説」とありますし、前書きにも著者本人がこの恋は成就しないと書いています。なので恋が実るかどうかがこの恋話の主題ではないということになります。

男女の仲であっても、ビジネスパートナーとして誰かと手を組みたいと思ったときにもどうすれば相手に認めてもらあるだろうと考えることがあると思います。
そういうときにどれだけ誠心誠意の言葉や行動を尽くしても相手に届かないということがあります。伝える側としてどうして伝わらないんだろうと思うでしょうが、それは理屈ではないのだと思います。

もちろん自分がその人に気がないとしてもどういう態度で接するべきかというのは人として問われる部分でもあります。
過去を振り返ってみると思いが届かなかったこともありますし、誠意のこもった対応ができていなかったこともあるなと反省をしました。

他人とのやりとりは決して駆け引きという言葉で片付けられるものではなく、相手のことを考えたうえでのやりとりであり、最終的な結果は神様に委ねるくらいの気持ちがちょうどいいのかなと思いました。

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