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今回ご紹介するのは、水野仁輔さんの『カレーの対話 第1巻 儲かるカレー店の作り方』(イートミー出版)です。
「儲けることが第一の目的なら飲食店は避けるべき」というのが印象的でした。飲食業の世界では、ただ美味しい料理を作るだけで成功するわけではなく、そこには技術以上に信念や熱意、戦略が求められるということを再認識させられました。
さらに、札幌のスープカレー店「らっきょ」のイデゴウさんとの対話で紹介されていた経営者の「何をやるかではなく、何をやらないか、何を止めるのかを決めることが大事だ」という言葉も印象的でした。限られたリソースの中で何に集中すべきかを見極めるという考え方には、ビジネスの厳しさと同時に、信念を貫くための強い意志が必要だと感じました。
多くの方が「儲けを第一にしない」と言いながらもカレー店を開き、続けていらっしゃいますが、それは単なる収益のためではなく、カレーを通して伝えたいメッセージや哲学があるからなのだと感じました。水野さんはカレーを作る際に「出来上がりのイメージ」を描き、そこに向かって進むとおっしゃっています。カレー店の経営においても、何を表現し、どんな体験を提供したいかというゴールイメージが先にあり、それを実現するための手段としてカレーがあるのだと考えると、そこには非常に哲学的な奥深さを感じます。
ふと私自身が思い返すと、何度も行きたくなるお店というのは、料理の美味しさだけでなく、その場所の雰囲気やスタッフの方々のこだわりが伝わってくるお店です。そこには、ただ利益を追求するのではなく、顧客に心地よい体験を届けたいという信念があると感じます。
本書は、飲食店を経営する方だけでなく、日々の仕事や人間関係で私たちが何を大切にすべきかを教えてくれる一冊だと思いました。儲けを超えた信念や、他者との関係性を重んじる姿勢こそが、本当に価値あるものを創り上げる鍵であるという気づきを得ました。