水野仁輔『カレーの糸口』(イートミー出版)

カレーをつくる前にパッと開いてそれをモットーに作ってみる。カレーのビブリオマンシー本だと思いました。

今回ご紹介するのは、水野仁輔さんの『カレーの糸口』(イートミー出版)です。

水野仁輔さんはカレーの出張料理人として全国でイベントを開いています。またカレーに関する著作多数で、自費出版レーベル「イートミー出版」も運営されており、こちらはその一冊となります。

ビブリオマンシーを聞いたことはあるでしょうか?  本を使った占い手法のひとつです。パッと開いたところをメッセージとして受け取る占い手法です。この本には100のカレー作りのアイデアが書かれています。カレーをつくる日には開いたところをモットーにしてみるのがお勧めされていました。作らない日にはイメージトレーニングとして活用することもできます。作りたくないときには手に取らないのが賢明とのことです。

ひとつ例を紹介します。このブログ記事を書くのに考えずに開いたページは「53 実験・分析・考察」でした。料理は科学ということならカレーも科学であると考えることができます。ただカレーは構成要素が多いので実験の要素としては多いものだそうです。だからこそ工夫のやりがいがあるのかもしれません。

またあちらではこういっていたけれどもこちらでは違う観点が書かれているというのがありました。具体的にはレシピ通り作りましょうというのがあればレシピから離れてみましょうというのもありました。どちらかが正解というわけではなく、どの視点で考え行動するかが大切なのだと思います。

水野さんのお好きな将棋や写真といった例え話も随所に書かれていて読んでいておもしろかったです。カレーを作るのが好きな人におすすめをしたい一冊です。

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皆藤章『それでも生きてゆく意味を求めて』(致知出版社)

小川洋子『耳に棲むもの』(講談社)

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