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「推し活」という言葉を最近よく耳にするようになりました。以前は「ファン」という表現が一般的でしたが、「推す」という言葉には、自分の好きなものを他の人にも広めたいという強い思いが込められているように感じます。ただ、実際にその魅力をうまく伝えるのは、簡単なことではありません。そんな時に役立つのが、三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』(ディスカヴァー携書)です。

三宅香帆さんは、『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社新書)の著者としても知られ、熱心な文学オタクとして本にまつわる書籍も多く出版されています。今回ご紹介するこの本では、タイトルの通り、好きなものをどうやって言語化して伝えるかについて書かれています。

私も、読んだ本の感想をブログに残したり、SNSに投稿したり、読書会で発表することがあります。長く続けている中で、なんとなく分かってきたこともあれば、この本を通じてもっと伝わりやすくなる方法があると感じた部分もありました。

特に印象に残ったのは、感情を細分化して言語化することの重要性です。これができていないと、つい「泣ける」「やばい」「考えさせられた」といった常套句に頼ってしまうことがあります。たとえば「考えさせられた」という言葉は、内容を言葉にしづらい小説に対して使いがちですが、これを避けるために、もう一歩感情を掘り下げてみることが大切だと学びました。

私は、感想の基本は文章だと考えています。文章で感情や考えを整理できなければ、人に話してもうまく伝わらないからです。もちろん、対面であれば言葉以外の要素も加わるので伝わりやすいかもしれませんが、実際には伝わっているように感じるだけの場合も多いので、注意が必要だと思っています。

三宅さんは文章のゴールを「①想定した読者に②伝えたいことが伝わること」としています。このブログでは、読書会に来てくれる人をイメージして書いています。すぐに「閉じるボタン」を押されないように、自分も読者の一員だと思わせる工夫が大切だと感じました。理想は「この本を読んでみたい」と思ってもらうことですが、読書会で紹介されたすべての本を読むのは難しいので、文章を読んで良かったと思えるところまで到達できれば十分だとも思います。

推しの魅力を上手に発信したいけれど、うまくいかないと感じている人には、この本を強くお勧めします。言葉として記録しておくことで、後から振り返った時に自分の成長や変化に気づけることが多く、推し活へのモチベーションにも繋がります。私もこれからも続けていきたいと思います。

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