今回ご紹介するのは、小林真樹さんの『日本のインド・ネパール料理店』(阿佐ヶ谷書院)です。2025年の文学フリマ札幌で購入しました。
カレーの発祥はインドとされていますが、インド料理店よりもネパール料理店のほうが多いなぁと薄々ではないレベルで気がついています。その秘密がわかるのかなと思いながら手に取りました。予想通り、日本で働くネパール人が多いことは確かでした。また日本で見かけるインド料理店の多くが、ネパール人によって営まれているとのことでした。インドカレーの看板を掲げながらシェフはネパール人ということも多いようです。それには制度上の事情がありました。ネパール人がインド料理人として来日するケースがあったことです。これは個人の問題というより、日本の制度が現実に追いついていなかったことを示しているように感じました。それは単純な善悪の問題ではないのだと感じました。
日本全国の地域について書かれています。北海道のインド・ネパール料理店の多くが、ギリ一族を中心としたネットワークによって広がってきたという話が特に印象的でした。お店に行くだけではこのようなことを知ることはなかったと思います。一つひとつのお店は独立しているように見えても、実際には親族や同郷の人々が支え合いながら、新しい店を開き、人材を育て、地域に根付いてきた歴史があるのだなと感じました。
この本は、グルメ本というよりも、「身近な風景の見え方を変えてくれる一冊」でした。私は飲食店に行く際にはどんな方がやっているのか、どんな想いでやっているのかを知りたくなります。国単位の大きな枠から考えてみるのもひとつの考え方なのだと思いました。















