自分の言葉で自分のことを表現する

今回ご紹介する本は、岸本葉子さんの『自分のことを書いてみる』(アスコム)です。

副題としまして『「人生で大切なことに気づく」ための文章術』とあります。

 

出版元であるアスコム様よりご提供いただきました。

エッセイストである岸本さんによるエッセイを書くことをおすすめしている一冊となります。

エッセイというのは単なる記録ではなく、自分を見つめ直す、大切にしていることを新たに発見する大切な営みであると感じました。

読書層としては定年を迎えるようなシニア層という感覚がありましたが、30代の私でも得るものがありました。

 

「文章術」の本ではありますが、テクニックだけでなく書く前の準備段階についても書かれていたのが印象的でした。

準備段階で印象的であったのが、「人生の浮き沈みグラフ」を作らないというものです。

よくテレビなどでも人生の良かったときと沈んでいるときの折れ線グラフを見たことがある方も多いかと思います。

それを作らないことをおすすめしています。

それを作ることにより埋もれてしまうエピソードが出てきてしまうとのことです。

確かに平坦な線で経過している部分にはあまり注目をしなくなってしまいそうです。

それよりかは年代や時期で区切って振り返ってみるのが良さそうです。

 

書くことに苦手意識がある方というのは学生時代の作文と切り離して考えるのが良いと気づきがありました。

これから書くであろうエッセイは必ずしも誰からか良い評価をもらうためではありません。

それを製本して配るにしろ、書いているエッセイひとつひとつに教訓がなければいけないわけでも、良い結末を用意しなければいけないわけでもありません。

学校作文の呪縛からは解放されなければと思いました。

 

テクニックの要素で言うと、『「形容詞」の代わりに、「名刺+動詞」を使う』というのを実践していきたいと思いました。

形容詞というのは便利です。

料理を食べた写真をSNSにアップするときには「おいしかった」とついつい使ってしまいます。

それが悪いというわけではありません。

ただ、いつもそれだと単純であり、表現に深みがありません。

そこで使っていきたいのが、名詞と動詞を組み合わせて表現をすることです。

料理がおいしかったのであれば、「お箸を盛んに動かす」と表現する例がありました。

わかりやすい言葉を使いつつ、表現そのものはオリジナルを目指していきたいと思いました。

 

本書を読んで、改めて自分の考えを本にしたいと思いました。

そのためにはまずは原稿が必要です。

読書会と読書遍歴をテーマに書き進めていこうと思います。

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