今回ご紹介するのは、岸政彦さん監修『北海道の生活史』(北海道新聞社)です。
生活協同組合コープさっぽろ60周年記念事業として制作されました。東京、沖縄、大阪と続いて作られてきた生活史シリーズです。形式は同じでありながら出版社が違うのも興味深いです。
応募によって選ばれた150人の聞き手が語り手から生活史を聞くというものです。生活史はその方個人の歴史と言い換えることができます。お一人当たりおよそ1万字でだいたい8ページくらいです。1200ページを超える鈍器本ですので、持ち運ぶのをあきらめて自宅でちょこちょこと読んでいきました。北海道でくくられているもののどれも個別の体験であり、同じものはないと感じました。具体的な共通点を挙げることができなくてもこれは北海道の生活史であると読み終えて感じるところはありました。
話を聞くとなるとどうしても自分より上の世代の方を選ぶことが多くなるのは自然だと思います。語り手の上の世代が北海道にやってきた頃でという歴史をたどることができるくらいの時間しか流れていないと感じることがありました。逆に若い世代の何かしらの理由があって北海道にやってきましたという方の話もどこかで聞いてみたいなと思います。
私は父親の転勤を理由に1歳で北海道にやってきました。北海道生まれではないので厳密にいうと道産子ではありません。ただ生まれたときの記憶は当然なく、物心ついたときから北海道ですので、そうではないものに分類されることに違和感がありました。決して長いとは言えない歴史のなかに仲間意識や絆というものがもしかしたらあるのかもしれません。しかしそれは時として本州から来た人のことを「内地の人」というようにしなくてもよい区別、ときには差別を生んでしまっているのではないかと思います。
北海道で育つことに対する誇りを持つことは大事なことであり、尊重されるべきことでもあると思います。でもそれは決して自分たちの代だけでなされたことではなく、切り拓いてくれた人たちの上に成り立つものであることを忘れてはいけないと思いました。
私は札幌での生活が長くなってきました。この街の流れる時間の長さや空気感というものが好きです。本州に行くには海を渡る必要がありますので、他の県にすぐに行けるという発想がありません。果たしてそれがどこまで良いことなのかは分かりませんが、必要のないところで道民マウントを取らないように気をつけたいなとなんとなく思いました。















