こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)と申します。
「本を語る、人と繋がる」をテーマに、札幌ゼロ読書会の運営をしています。
また、ブログやSNS、ポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回ご紹介する本は、唐澤和也『海と生きる 「気仙沼つばき会」と『気仙沼漁師カレンダー』の10年』(集英社)です。
宮城県気仙沼市の女性の方々で構成される「気仙沼つばき会」が気仙沼の漁師の魅力を発信するために作成したカレンダープロジェクトの軌跡です。
私は中学生のときの修学旅行で気仙沼を訪れました。
気仙沼の大島で民泊を体験しました。
東日本大震災があったときに気仙沼が、訪れた場所がどうなってしまったかは怖くて調べることはできませんでした。
震災後も踏ん張り活動を続けていらっしゃった方々がいたのだと本書を通じて感じとることができました。
もちろん全てが順調にいっていたわけではありません。
企画がスタートした頃は当然知名度もありませんので、どうやってカレンダーを広めていくか策を凝らします。
期間を10年間と決め、毎年違う写真家を起用することにしました。
当然ながら撮影スタイルも考え方も皆違い、また天候により船が出せないこともあり、スケジュール管理がとても大変だったのが伺えました。
印象に残ったところを引用します。
自然が相手だから、昨年がよかったから今年もいいなんてあるわけがない。だから、生きてる間はずっと勉強。40歳だろうが70歳だろうが、みんな漁師1年生。死ぬ時に『あぁ、やっと漁師を卒業だ』と思うんでねぇの?
唐澤和也『海と生きる 「気仙沼つばき会」と『気仙沼漁師カレンダー』の10年』(集英社)(p133)
写真家奥山由之さんの時に掲載された言葉の一部です。
人生100年時代と言われるようになりました。
生成AI技術も発達し、社会に出たらあとは安泰という時代ではなくなりました。
だからこそ生き抜くためにも学び続ける必要があると感じました。
気仙沼つばき会がうまく続いている秘訣は、これをやったらダメという暗黙のルールがあることでした。
それは、「具体的な代替案なしに否定をすること」、「陰で悪口を言うこと」でした。
これはどのような組織であっても大切なことだなと思いました。
漁師や写真家の方々が仕事に向ける情熱とそれを支える人たちの力強さを私は感じました。
これまでなんとなく避けていた震災ですが、足を運んで感じてみたいなと思いました。