「もし今後一人の作家の本しか読めないとしたら誰を選びますか?」
ぷらっとBOOK内の掲示板でこんな質問がされていました。
私は迷わず東野圭吾さんを挙げました。読書にのめり込むことになった原点とも言える作家さんです。それまでも本を特別嫌っていたわけではありませんが、かといって積極的に読んでいたわけではありませんでした。高校の電車通学の時間で最初は英単語の勉強に充てることにしました。往復1時間半くらいあったので段々と飽きてきました。乗り換え駅の近くに大きな本屋さんがあったこともあり、帰り道に寄るようになり、本を手にするようになりました。そんなある日出合ったのが東野圭吾さんの『流星の絆』(講談社)でした。平積みされていたものの当時は日本を代表するミステリー作家であることを知らずに、名前に同じ「吾」の字が使われているからくらいの親近感で興味を持ち選びました。ミステリーというジャンルそのものについてもこれまで触れてこなかったのでこういう小説があるのだと衝撃を受けました。
それから東野圭吾さんの本を手に取る機会が増えました。決定的だったのが『秘密』(文藝春秋)でした。これを読んだときにこの作家の本は全て読もうと決心し、大学時代に読みふけることになりました。
今回、講談社から『小さな故意の物語』という短編集が刊行されました。
講談社文庫の新たなレーベル「STORY IN POCKET」の第一弾です。550円で気軽に読める文庫本の企画です。これからの作家さんがある程度決まっているとはいえ、第一弾に抜擢されるあたりはリトマス試験紙的な役割もあるのかなと勝手に想像してしまいます。
私の新しい作家さんとの出会いで一番多いのは短編集のアンソロジーです。それを読んで知った作家さんを深掘りしていくことが多いです。このシリーズでは名前を知っているけれども読んだことがない作家さんの入り口として活用してみるのがいいのかなと思います。一番は興味を持った作品を読んで、最新作とデビュー作をチェックするのが個人的には順番としておすすめです。積読の山を考えるとここまでガッツリと追いかけるのは難しいかもしれないなぁと思ったりもします。
いずれも読んだことがあるはずの3編ですが、人間の記憶は曖昧なもので新鮮さをもって楽しむことができました。
ただストーリーを楽しむだけでなく、ときには人間模様や社会問題など考えるチップが与えられるのが東野圭吾作品の魅力でもあるのかなと思います。
この一冊からとは言わずですが、ぜひ手に取っていただきたい作家さんです。















