今回ご紹介する本は、文・東野圭吾、絵・よしだるみ『少年とクスノキ』(実業之日本社)です。
東野圭吾さんの小説を好んで読んでいます。
刊行されている作品は全て読んでいるはずです。
高校生のときに紀伊国屋書店で『流星の絆』(講談社文庫)に出合ったのがきっかけで初めてミステリー作品に触れハマっていきました。
『秘密』(文春文庫)を読んだときにこの作家さんの本は全て読もうと思い現在に至ります。
今作は絵本です。
全くのオリジナルというわけではありません。
『クスノキの番人』シリーズの2作目である『クスノキの女神』のなかで絵本を作る場面があります。
そこで出てくる絵本が元になっています。
あらすじを紹介します。
将来が不安で困り果てた少年のもとに旅人が現れます。
未来を教えてくれるクスノキの女神の存在を教えてくれます。
進む道がわからなくなった時は木の枝が指し示す方向に進めばいいと教えてもらった少年は困難を乗り越え女神と会います。
そこで未来を見せてもらったけれども…と話が進んでいきます。
もしタイムマシンがあったらという話をしたことがある方は多いのではないかと思います。
私は過去にいくにしろ未来にいくにしろ自分が生きていない時を選びたいです。
過去か未来でいうと、きっと過去を選ぶと思います。
過去を選ぶ理由としては、自分のルーツになるようなことを知ることができるのはないかという思いです。
自分が生きている未来に行ったとしたら、それが素晴らしいものであってもそうでなかったとしても努力をすることをしなくなるのではないかと思います。
未来がどうなるかわからないからこそ学びますし、実践をしながら日々生活をしていきます。
結局のところ過去を嘆いたり、未来を憂う時間があるなら今を大切に生きることなのかなと思います。
この絵本を読みながら、この言葉を思い出しました。
きっとお前は10年後に、せめて10年でいいからもどって、やり直したいと思っているのだろう。
今やり直せよ。 未来を。
10年後か、20年後か、50年後から戻ってきたんだよ今。
昔、「2ちゃんねる」の掲示板に投稿されたものだそうです。
過去やってきたことの結果が今ですし、今自分がやっていることが未来へと繋がっています。
東野圭吾さんの絵本は大人が読んでも楽しめます。
むしろ大人だからこそ考えたいテーマを取り扱っていると言えるのかもしれません。