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今回ご紹介するのは、幡野広志さんの『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)です。
幡野広志さんは写真家です。ある時から謎の体調不良に悩まされていました。最初は職業病だと思っていたもののどうも様子がおかしい。ということで精密検査を受けられたところ、血液のがんが見つかり余命宣告を受けられます。
家族は第二の患者と言われるように、がんを宣告されてから家族関係が変わっていく人たちは少なくないようです。いろいろな方へのインタビューを通して考察されたことがまとめられた一冊になります。
わたしたちは生まれてくる環境も親も選ぶことはできません。気づいたときには人生がスタートしているものです。ただ人間関係を選び直すことはできます。幡野さんはがんをお母様に報告してから良い関係を築くことはできないと判断されて縁を切ったそうです。そう簡単に判断できるものとは思いませんが、そういう選択肢もあるということです。
また、NASAの宇宙飛行士の家族の定義も触れられていました。直系家族と拡大家族に分けられます。直系家族には自分のパートナーと子ども、その配偶者が属します。拡大家族には親や兄弟、中には親友も含まれます。自分で選んだパートナーという夫婦という最小単位の家族が始まりとも言えます。それは今後の時代性別を問わず価値観として大切になってくるものだと思います。
印象に残ったところを紹介します。
「ぼくは写真のことしかわからないけど、なにかをやるときの技術って、全然たいした問題じゃないんですよ。技術が上がるっていうのは、ただ『失敗の回数が減る』というだけのことですから。大事なのは、自分が好きなこと、自分で選んだことを、もっとわがままになってやるっていう、それだけだと思います」
幡野広志『ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。』(ポプラ社)(p115)
どれだけ情熱を傾けることができるかどうかがどう生きるかどうかにつながっていくような気がしました。
わたしたちは生まれてくることを選ぶことはできません。でも、どう生きるかどうかを選ぶことはできます。一般的には死ぬタイミングを選ぶことはできないとされていますが海外に行けば安楽死という選択肢もあります。死に方を考えるということは生き方を選ぶことにつながっていくのだと思いました。
わたしは幡野広志さんのSNSでの投稿や文章、もちろん写真も好きです。これからもずっと楽しみたいのが本音です。ただ死ぬことが決まっているのは生きている人すべてです。そのことを忘れずに今日も生きていこうと思います。