文芸誌はバイキングのよう

今回ご紹介する本は、『GOAT』(小学館)です。

2024年12月に発刊された新しい文芸誌です。

ふたり読書会の課題本として選んでいただきました。

 

私は普段文芸誌を読んでいません。

過去にも数度しか買ったことがありませんでした。

なのでとても新鮮な気持ちで読み進めることができました。

 

小説のアンソロジーはお目当ての作家さんがいれば読むことはあります。

その場合、お目当ての作品だけを読むのではなく、すべて読みます。

初めて読む作家さんの作品も当然あります。

多くは短編小説ですので、サクサクと読み進めることができます。

色々な作品を味わうことができるという意味でアンソロジーは幕の内弁当みたいだなと思います。

幕の内弁当は色々なおかずを味わうことができる良さがあります。

ただ、どれがメインであったかを表現するのは難しいところがあります。

文芸誌になるとそれがもっとわからなくなっていきます。

そういう意味で、文芸誌はバイキングみたいなものかなと思いました。

当然ながら分量が一気に増えます。

その分キャラの濃い料理のようなものに出合うこともあります。

気になったものだけを読むというのも選択肢のひとつかなと思います。

「全部読まなくていい」「気になったところから読んでもいい」という読書を取り組みやすくする流れがあります。

一方で、私は、最初から最後まで読み飛ばさないで読まないと気持ちがわるいタイプです。

なので、全ての作品に目を通しました。

 

特に印象に残ったのはワクサカソウヘイさんのエッセイ『二番目のアイスを教えてください』でした。

一番は本命と言えます。しかし二番目に選ぶものこそ本当に信頼感があると言えるのかもしれません。

 

『GOAT』はGreatest Of All Timeの略でジャンルは小説、エッセイだけでなく詩や哲学、対談等も収録されています。

紙を食べるとされているヤギがメインキャラクターとなっています。

私は紙媒体で購入をしました。

まとまりごとでページの色が赤やオレンジ、青色と変わっており視覚的にも楽しむことができます。

また、読書バリアフリーに向けての活動も推進しており、音声図書化にも関わっているとのことでした。

 

私は読書にコスパという言葉は正直使いたくありません。

役に立つかどうかを前提としてしまうと読むのを避けるジャンルがあると思います。

コスパを理由に避けてしまうのはもったいないことです。

そもそも読書というのはいつ読んだ効果が発揮されるかはわからないものです。

10年前に読んだ小説の一文がずっと心に残り続けることもあります。

逆に役に立てようと思った本が自分には響かなかったということも十分あり得ます。

全ての本から教訓を得ようとするとそれはそれで本を読むのが疲れてしまいます。

 

本の値段は色々です。

たくさんの量があるからすごいとか、価値があるというわけではありません。

ただ、今回『GOAT』を読んで、これだけの著者さんと内容で510円(税込)というのはお買い得なのではないかなと思います。

普段なかなか本を読まない人は、そもそもこの分厚い文芸誌を取るのに気が引けるかもしれません。

装丁の雰囲気の柔らかさは普段本や文芸誌を取らない人にも手を出しやすい親しみやすさを感じさせます。

気になるタイトルからつまみ食いをするように読むのもいいのでないかなと思います。

文芸誌を読むことによって広がっていく世界もあるのかなと思います。

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