『楽園をめざして』を読んで、双極症との付き合い方を考える。

今回ご紹介する本は、ふみふみこさんの『楽園をめざして①』(モーニングKC)です。

北海道新聞で紹介されているのを教えてもらったのをきっかけに手に取りました。

 

文筆業を営む青年がある日、弟の訃報の電話を受けます。

そこで弟に妻と幼い娘がいたことがわかります。

葬儀が終わったあとに話をするなかで、お金の面もありひとまず一緒に住むことになりました。

 

著者のふみふみこさんは双極性障害であることを公表しています。

そしてこの漫画の主人公の青年も双極性障害を患っています。

当事者だからわかることというのがきっとこれからたくさん出てくるのだろうと、私も当事者として勉強しながら読んでいこうと思います。

この漫画では双極症と呼ばれています。

双極性障害からだんだんとこちらの呼び名にシフトしていくかと思いますが、かつては躁うつ病と呼ばれていました。

うつ病と同じようにうつ状態がありますが、治療方針も使われれる薬も違う別の病気です。

双極症でこわいのは実はうつ状態ではなく、躁状態のときであるという記述がありました。

鬱のときは気力が落ちているので何かをしでかす可能性は低いです。

逆に躁状態というのは全能感を味わうところがあるので散財をしてしまったり、普段なら言わないことを言ったりとしてしまいます。

その尻拭いをするのは鬱のときの自分という負のスパイラルが待っています。

 

私が大学を中退するきっかけも躁状態から入院し、診断がついたことでした。

そのときは統合失調症の診断を受けました。

それから落ち着き5年ほど経過したとき体調を崩し入院をした際に双極性障害と診断が変わりました。

精神障害というのはそれだけ診断が難しい病気なのだと肌で感じています。

私は、現在も投薬治療を続けています。

それは良くなるためというよりも躁状態にならないための安定するためのお守りのようなものです。

気分が低くて困っていることを伝えたときには、低く安定しているほうがいいと医師に言われました。

そこは医療に頼るべきところと自分でやるべきことを考えて対応していけばいいのかなと今は思っています。

 

今後のストーリーも楽しみですし、バナナが安眠につながるといったライフハック的な要素も楽しみです。

症状のことが辛く感じてしまう場合もあるかと思いますので、当事者の方は元気なときに読むのをおすすめします。

 

睡眠、栄養、運動を意識した生活は健常な人と変わらずです。

そこに信頼できるお医者さんを見つけて治療を続けていくことです。

信頼できる医者を見つけるまでに5年かかるとも言われています。

大変なこともありますが一緒に頑張っていきましょう。

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