2025年5月12日に円錐書店で第6回課題本読書会を開催しました。
今回の課題本は小川洋子さんの『博士の愛した数式』(新潮文庫)でした。
記憶が80分しか持たない老数学者の「博士」とその元に通う家政婦の「私」とその息子「ルート」の物語です。
派遣の依頼をしているのは博士の義姉の未亡人です。
登場人物はシンプルながら、書かれていないところも多々あり、解釈を話し合うことで作品の理解を深めていきました。
個人的に印象的だったものを二つ紹介します。
博士と私とルートで野球の試合を観に行く場面があります。
実はこの試合はちゃんと行われた試合であり、岡山県の開催であることが分かりました。
ちなみに小川洋子さんの出身も岡山県であり、これは偶然ではないと感じました。
その時の試合の様子がYouTubeにあがっていると教えていただいたので貼っておきます。
博士がルートにグローブをプレゼントします。
11歳の誕生日に貰ったものを20歳を超えるまで使っていたあります。
果たしてそれは可能なのでしょうか?
ルートのポジションはセカンドであり、小回りのサイズでも使うことが出来たこと。
軟式野球用の記述はあるものの、良い革の部分であれば手入れをしていれば可能ではないかという結論に至りました。
参加された皆様の感想をアップします。
読みやすい文章なのに深くて、いろいろなことを想像させる小説で参加できて良かったです。
皆さんの感想や体験を通して、この話のことがさらに深まりました。
一冊の本について濃く話したことが初めてで、とても充実できました。
連帯感もあり、話しやすかったです。
また参加したいです。
様々な視点から話を聞けたり、共感できることがたくさんあって楽しかったです。
つい最近読んだばかりで再読の時間が無かった為、他の方達のお話で「あー、それ! 私も思った!!」と感じる事が多く、楽しかったです。
グローブでここまで話せるとは…!?
みなさんの印象に残ったシーンはそれぞれの捉え方があらわれてて、うなりました。
読みやすくて分からないという感覚にはならないものの、描かれていないところもあり、解釈が広がる物語だと思いました。
算数や数学が苦手だった方にも数の美しさを感じることができる作品ではないかと思います。