今回ご紹介するのは、青木聖奈さんの『選んで無職日記2』です。
文学フリマ札幌で購入しました。
タイトルだけを見ると、「無職」という言葉が強く印象に残ります。しかし読み終えて感じたのは、無職という状態そのものに良い悪いはないということです。もちろん、働かなければ収入はありません。そのため、お金に対する不安とは向き合わなければならない現実があります。それでも、無職という期間は「何もしない時間」ではなく、自分のこれからを考えたり、本当にやりたいことを見つめ直したりするための時間にもなり得るのだと感じました。
本書は日記形式で書かれているため、旅行や日常の出来事も数多く描かれています。旅行中のエピソードで周りの人たちの盛り上がりがエスカレートし、楽しむことが優先されその後の都合が考えられていない場面では、確かに私もイライラするだろうと思いました。でもそこで不機嫌になってしまうとそれはそれで周りに迷惑をかけてしまうことになりかねないと考えると難しいところがあります。
本書の最後では青木さんが新たな仕事に就くところまで描かれていますが、それは無職だった時間が無駄だったからではなく、その期間にさまざまな経験や葛藤を重ねたからこそたどり着いた選択だったのではないかと思いました。
私自身は現在、正社員として働きながら、副業として読書に関する活動を続けています。今の働き方は自分にとって心地よく、無理のないバランスだと感じています。一方で、もし読書活動が大きく制限されるようなことがあれば、そのときは仕事との向き合い方を改めて考えるかもしれません。働き方に「これが正解」という形はなく、その時々の価値観や生活に合わせて柔軟に選んでいくことが大切なのだと思いました。
青木さんも無職期間中にピラティスに取り組み、執筆を続け、自分のやりたいことと向き合っていました。その姿を見て、無職とは単に仕事をしていない状態ではなく、自分自身を見つめ直すための時間にもできるのだと感じました。
一方で、「選ぶ自由」には責任も伴います。無職を選ぶことは自由ですが、その先にある収入への不安や将来への迷いも、自分自身で受け止めていかなければなりません。本書を読んで、自由とは好き勝手に生きることではなく、自分で選択し、その結果にも向き合うことなのだと改めて考えさせられました。だからこそ、これからは一つの働き方だけが正しい社会ではなく、それぞれの生活や価値観に合わせて働き方を選べる社会になっていってほしいと思います。そして、その選択を尊重し合える社会であれば、多様な生き方を受け入れられる人も増えていくのではないでしょうか。
本書は重たいテーマを扱っているようでいて、実際には日記ならではの読みやすさがあります。肩肘張らずに読める一冊なので、「無職」という言葉に関心がある人だけでなく、日常を切り取ったエッセイや日記を気軽に楽しみたい人にもおすすめしたい一冊です。















