今回ご紹介するのは、アンディ・ウィアー(小野田和子:訳)『プロジェクト・ヘイル・メアリー』(早川書房)です。
2026年3月に映画が公開されました。
単行本刊行時から話題になっていたのは知っていました。今回映画を先に観てから原作を読みました。私は一応理系なので話の筋を大まかにとらえることができました。サイエンス・フィクションになじみがない方でも楽しめると思います。不安であれば映画を先に見るのをおすすめします。
ある男が密室の空間で目を覚まします。
どこにいるかわからなければ、自分の名前もわからない状況です。
このような状況で人はまず何をするでしょうか? 男は手当たり次第に実験を繰り返し、物が落ちるスピードの違いから「ここは地球ではない」(p39)と結論づけます。
次第に宇宙船に乗っていることも分かり、自分に与えられた使命も明らかになってきます。
太陽の活動が徐々に弱まっていくことが推測され、このままでは地球は寒冷化していき絶滅へと向かってしまいます。それを救うためのイチかバチかの神頼みとしての計画でした。その宇宙船に乗るのがこの男であり、宇宙船の名前が神頼みを意味する「ヘイル・メアリー」でした。このヘイル・メアリーは元々アメフトの試合終了間際に逆転を狙って行うロングパスが由来だそうです。
回想シーンが時折混ぜられ話の筋が明らかになっていきます。
男が中学の理科教師であることがわかりますが、どうして彼に白羽の矢が立つことになったのか。選ばれたこととそれに対するモチベーションの変化については考えるところだなと思いました。
SF好きはどんどん楽しめると思います。
理科の知識がないと難しいところはあると思います。当然ながら架空の物質の話が出てくるのでなんとなくの理解でも読み進めていけば理解できてくるのではないかと思います。私は重要そうな部分をチェックしながら読んでいます。上巻のさらに前半で8割近くのチェックをしていました。また話の肝になる部分が6章なので、ここまで読んで先の展開にわくわくしなかったらそっと本を閉じていいと思います。そこを超えたら先をどんどん読みたくなると思います。
アンディ・ウィアー氏の小説は『火星の人』(早川書房)に続いてでした。
もしかしたら相性が良いのかもしれません。そこにはきっと訳者の小野田和子さんの力もあるのかなと思いました。















