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こんにちは、読書セラピストの井田祥吾(@shogogo0301)です。
「本を語る、人と繋がる」をテーマに札幌ゼロ読書会の運営をしています。
また、ブログ、SNSやポッドキャスト等の発信活動を通して、本の魅力や読書の素晴らしさを伝えています。
今回紹介する本は、安部公房『砂の女』(新潮文庫)です。
私は写真を撮るのが好きです。
カラスを偶然撮った写真がこの本の表紙を思い出させたので再読をすることにしました。
以前読んだのは高校生のときでした。
砂丘へ昆虫採集へ出かけた男が主人公です。
新種を見つけようと意気揚々と乗り込んでいきます。
宿を探そうと尋ねたところで紹介されたのが砂穴の底にある一軒家でした。
そこには女が暮らしています。
どんどん砂に埋もれていきますので、砂を掻き出す必要があります。
男は閉じ込められたことに気づき逃亡を試みようとしますがうまくいきません。
女はこの砂穴の底での生活を諦観している様子でした。
以前読んだときは、男が逃亡しないように女が策を企てていると記憶していました。
しかしそこには男の様子を見張る集落の者たちがいました。
男が憤り、女に攻撃をしている様子や逃亡しているところを見つけているのです。
それに反抗して水を与えないということもしていました。
作品の冒頭で、男が失踪していることが述べられています。
発見されず死亡認定を受けていることも書かれています。
読み始めで予想できる結末は男はこの砂穴のそこの家から脱出できないということです。
最後には逃げることを後回しにしてしまうまで気持ちが変化をしてしまいます。
作品を何かに例えていうのは難しいところです。
ただ、社会の中でこのようなしがらみを感じることは必ずあると思うのです。
意見を申し立てたいと思っていても、それをなんとなく受け入れてしまったり、逆の立場で理不尽なことをしてしまっているのにそれに不思議を感じなかったりということがあるかもしれません。
『砂の女』というタイトルですが、主人公は昆虫採集へ出かけた男です。
先に述べたように、女はこの生活からの脱出を諦めを越えている感じがあります。
集落の人達は男をこの生活に引き摺り込む様子は蟻地獄のような雰囲気がありました。
男、女、集落の人達からこの物語を眺めて見るとおもしろいです。